「希林さんが、がんのことを告白しているのを私もテレビでみました。彼女があんなふうに自分から言うなんて、びっくりしましたね……」と話すのは中谷桂子さん(76)。彼女は樹木希林(70)の兄の妻であり、現在は神奈川県横浜市で居酒屋を営んでいる。

3月8日、日本アカデミー賞授賞式で体中が、がんにむしばまれていることを告白した樹木希林。映画『わが母の記』で最優秀主演女優賞に輝いた樹木は、受賞スピーチで、「この賞をいただくと来年司会をやんなきゃいけないというのが……。私ね、冗談じゃなく全身がんなので、来年の仕事の約束ができないんですよ」と口にし、会場に衝撃が走った。

樹木が乳がんで右乳房の切除手術を受けたのは、’05年。その2年後にがんが再発したという。本誌は、樹木の義姉である桂子さんに話を聞いた。

「希林さんは’07年に再発したときから、鹿児島の病院で治療をし始めたんです。自分でこっそりと治療していたようで、その当時は私も知りませんでした。ところが、私も’09年に同じ乳がんになりました。それを希林さんにお話ししたら、すぐに『私の言うとおりにして』と言って、鹿児島に連れて行ってくれたんです」

樹木が桂子さんを連れて向かった先は、鹿児島県のUASオンコロジーセンター。そこには樹木の主治医である放射線治療の名医・植松稔医師がいる。

「先生を紹介してくれて、私は1カ月間ずっと鹿児島で治療していました。希林さんが泊まるところから全部手配してくれましてね。実は当初、私は別の病院で手術する日も決まっていて、切る覚悟をしていたんです。でも、希林さんが『切るのは絶対、やめなさい。私が先生を紹介するから』と言って、鹿児島に一緒に行ってくれたんです」

自分と同じ乳がんを発症した義姉のために、鹿児島まで同行し、献身的に奔走した樹木。そこには、彼女が味わった苦い後悔があった。

「希林さんが再発したときは、『もう二度と体にメスを入れたくない』と思っていたそうです。やはり、乳房を切除してしまったことがつらかったのだと思います。つい1週間ほど前に会ったときも『お姉ちゃんは、切らなくてよかったよ。私は最初に切ったばかりに、あとあといろんなことが出てくる』と言っていました」

主治医によると、再発後の樹木はリンパ、骨、副腎など全身13カ所にがんが転移し、放射線治療を受け、現在、彼女は半年に1回、検査を受けているという——。

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