黒い瞳を見開いて、こちらの話にじっと聞き入る優香(32)。次の瞬間、口角を思いきり上げ、小さな顔いっぱいに笑みを広げる。「ウンウン」と声に出して頷く“優香ちゃん”も、今年でデビュー16年だ。

「昔は内気で、消極的だったんです。小学生のときに言われたちょっとした悪口がきっかけで、ずっと目立つことが嫌いでした。デビューしてからも長いこと『おとなしすぎる』『もっと前に出ろ』と叱られていたけど“色”のない自分にはどうしようもなかった」

 それでも、一度抜擢されたレギュラー番組には、どれも長年呼ばれ続けた。テレビタレントとしての活躍は、誰もが知るところだ。

「個性的な色ばかりの人の中で、私には色がない。だったら、その場その場の色に、染まればいいと思ったんです。主張がない分、人を見ることができるし、どの現場でも自分の役目を考えられるから」

 主演を務めた映画『体脂肪計タニタの社員食堂』がもうすぐ公開になり、現在も次作品の撮影中だ。これからの展望を聞くと。

「私、1~2年先のことまでしか考えられないんです。昔は1日先が精いっぱいだったので、これでも成長しました(笑)。結婚や出産に対しての焦りもないです。焦らないことに、『おかしいのかな』と逆に焦るくらい。でも、『まぁ、いっか』ですね。新しいものに出合うたび、何でこんなこともわからないのかと、毎回落ち込みはするんです。でも結局、『まぁ、いっか』と。表面と違って、私は意外と強かったみたい(笑)」

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