「50代を迎えてみると、人生で、生きがいとなる新たな出会いと発見がありました」と語るのは、明るい美しさで輝き続ける女優・風吹ジュンさん(61)。20代で颯爽と登場し、時代のミューズとなった風吹さん。しかし、40代は、離婚、子育て、母の看取り、さらに多忙な女優業と、疲れもピークに達していたという。そんなときに出会ったのが“旅”だった。行き先はヨーロッパ。
「50歳のとき、中学生になった娘と息子から子離れするために、10日間、一人旅に出たんです。女優としての旅とは違う、地に足ついた旅に本当に魅了されました。美味しいものを食べて、知らない場所に身をおいて刺激を受ける。五感も研ぎ澄まされて、帰国した時には、興奮しているほど元気。旅は大事な元気の源。成長した子供と一緒に旅するのも楽しいものですね」
旅行中は、他人と同じ部屋で寝たりコンビニで買い物したりと初めての経験ばかりだった。そして10年前、中国茶専門店の簡里佳さんとの出会いが旅好きに拍車をかけた。
「簡さんと共に本物のお茶を求めて中国に何度も行くようになりました。中国は古典も歴史も古いので、学ぶことも無限にあり、飽きません。今年は秋に敦煌へ旅する予定です。旅の方針は決めずに、自分の本能と刺激に素直についていく。それが『今を生きる』ことだと思います。『この食材手に入れたい』と、シンガポールまで旅したこともあります。自分の足で歩くことは、自分の智恵になる。未知のものと出会える喜び、学ぶ楽しさに気づいたんですね」
流れにまかせるのも風吹流――。そんな大好きな旅に必要な体力アップのため、風吹さんは「自宅でもバネスで足腰を鍛えているの」と笑顔で話していた。