「みなさま、お久しぶりです。桜田淳子でございます。会場に着いたら、森昌子さんから贈られた花があって、すごく感激して朝から胸がいっぱいでした」

 11月25日、デビュー40周年記念イベントで緊張の第一声を口にした、桜田淳子(55)。桜田が歌手としてステージに登場するのは、じつに22年ぶりのこと。会場となった銀座・博品館劇場の客席は、わずか380席。ヤフーオークションでチケットを4万円で落札して駆け付けたという40代の男性ファンはこう語る。
「観客は、40代~60代を中心に、男女が7:3くらいの割合でした。開演前はいったい何が起きるのかわからないという、不思議な緊張感が会場に漂っていました」

 開演は午後7時。静まり返ったなかを、ついに桜田が登場した。グレーのシャツにオレンジのスカート姿でマイクを手に、舞台の袖から歌いながらステージに現れた。
「おかえりなさい!」
「淳子ちゃん、待ってたよ~」
 一斉に、大きな歓声が湧く。立て続けに3曲を熱唱したが、1曲目の『LADY』(’79年)は緊張のせいか声が出ておらず、目も泳ぎがち。しかし、『追いかけてヨコハマ』(’78年)になると、客席から手拍子が入り始め、『しあわせ芝居』(’77年)では、桜田の声に全盛時を彷彿とさせる輝きが完全に戻ったという。

 いま、日本女性の平均寿命は86歳。アイドル、そして3人の子を育て上げた母親としての人生を“卒業”する桜田には、これから長い第3の人生が待っている。『わたしの青い鳥』はどこにーー。そんな多くの女性と同じ悩みを抱えているだろう桜田に、突如訪れた転機がこの日の“22年ぶりステージ復帰”だった。

 そんな迷いを吐露するように、この日の桜田は自らの“これから”をファンに語った。
「人生80年だとすれば、私たち、折り返し地点を過ぎてますね。これから“終活”です。エンディング・ノートには何を書きましょうか。男性のみなさまは、堂々と胸を張って生きてください。女性のみなさまは、かわいらしく生きてください。今日は素敵な時間を与えてくださって、本当に感謝しますーー」

 50代といえば、まだまだ女盛り。イベントで触れたファンの熱狂は、彼女の“復活への思い”に火を付けたはずだーー。

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