春の連ドラで最高のスタートを切った『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)。主役の杏が、東京第一銀行のエリートテラー(窓口係)から本部の臨店班に配属され、トラブルの起きている支店に赴き、事件や不祥事を見事に解決していくドラマだ。

 原作は池井戸潤。『半沢直樹』同様「今回のドラマも非常にリアルに銀行の様子が描かれていると思います」と話す元みずほ銀行副支店長で、現在は経営コンサルタントの五島信也さん(51)に、第1話で気になった素朴な疑問をぶつけてみた。

〈Q1、銀行の窓口係はホントにテラーっていうの?〉
「本当。支店の窓口でお客さんと接する行員をテラーと呼びます。ドラマに登場するハイカウンター(客が立って手続き)を担当しているのは、現在、パートの女性ばかりです」

〈Q2、杏ちゃん演じる臨店班ってホントにある?〉
「名称は各銀行によって違うと思いますが、本部から支店を指導にいく部署はどこの銀行にもありますね。ただあくまで技術指導や窓口補助が目的で、事件を解決したりはしませんね」

〈Q3、窓口で「過払い」ってホントにあるの?〉
「人がやることですから、(第1話のような)過払いもないとはいえません。もし入金と出金が1円でも合わない場合は、合うまで行員全員が店内に足止めになるのはドラマどおり」

〈Q4、支店のミスを支店長が隠蔽するってホントにあるの?〉
「支店長クラスの世代は同期が200人前後はいます。その中で支店長になれるのは1〜2割。厳しい出世レースではミスは許されない。多少のことなら隠蔽に走る行員がいてもおかしくないのは事実です」

〈Q5、原作にはアダルトビデオに出演した女子行員や支店長家族誘拐なども登場するが、これも実際にある話?〉
「私はどちらも聞いたことはありませんが、銀行員は服務規定で副業禁止ですから、アダルトビデオに出演したら、これにひっかかります。ただバブルの時代は、銀座のクラブで働く女子行員もいたようですよ」

 五島さんは最後にこう言う。

「(第1話で)私も胸がすっとしました。ただ、本当の銀行はあんなに悪い上司ばかりじゃない。これだけは付け加えておきたいな(苦笑)」

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