「のりピーもあの場所に立って謝罪をした(’09年、酒井法子の保釈時)。薬物防止のいいキャンペーンになるから、こっちも化粧の時間を取るなどお膳立てをしたんだ。ASKAにも、謝罪ができるように便宜をはかったつもりだったんだけどね」
警視庁湾岸署。3日に保釈されたASKA(56、本名=宮﨑重明)被告のために、立ち位置には目印のガムテープが張られ、高感度のマイクもセットされていた。が、ASKA被告は、深々と一礼しただけで無言のまま。焦点の定まらない虚ろな目で車に乗り込んだ。
そもそも申請を出してから3日後の保釈許可。遅れた原因は「保釈額について折り合いがつかなかったから」(大手紙記者)だという。刑事事件の弁護を多数手がける弁護士はこう語る。
「裁判所が保釈金を決める場合、資産を調べるわけでもなく、大体のイメージで金額を提示してくる。ASKAの場合、おそらく1千500万円ぐらい提示したのではないか。ところが、実際にはとても用意できる金額ではなかったので、弁護士がさまざまな資料を提示して値切る交渉をしたようだ。700万円という金額は中途半端な額。ギリギリまで折衝した結果そうなったのでしょう」
ミリオンヒット連発だった’90年代に比べれば、ASKAの現在の収入は激減。とはいえ、都内目黒区にある豪邸や、札幌に所有するマンションに担保がついているわけではない。だが、覚せい剤を相場の約3倍、1グラム7万円で買っていたように、その散財でASKAの“金目”は厳しくなっている。手元にある現金も底をついたようだ。
「ASKAの供述によると、薬物の入手ルートは札幌ルートと、六本木ルートの2つ。六本木ルートでは、これまで薬物事案で名前が挙がったことのない新顔が含まれている。それはある風俗グループの40代の代表。派手に遊ぶから都内のクラブでは有名人だ。ASKAといっしょのところを見ていないか、捜査員が聞き込みをしているようだ」(大手紙社会部記者)
ASKAとともに逮捕された栩内香澄美(とちないかすみ)被告(37)は、依然として否認。彼女の職場の同僚はこう打ち明ける。
「彼女は、社宅マンションから出したゴミの中から、薬物反応が出た精液つきのティッシュなど証拠物が押収されたことで、ASKAや、自分の上司、さらにパソナの南部代表に迷惑をかけたと思っている。本人はボロを出さないために、話さないことに決めたのでしょう。結果、罪が重くなってもいいと思っている」
8月28日の初公判まで、医師の指導を受けると書面で表明したASKA。だが薬物依存症の治療にあたってきた精神科医の高木希奈氏は「薬物依存症は一生完治することはない。薬物依存症に対する治療薬はない。やめて10年目に手を出す場合もある」という。
ASKAの最後のステージが、警察署前では悲しすぎる。
(週刊『FLASH』7月22日号)