「僕くらい働いてた人はいないでしょう。’80年代の日本って、元気があった時代じゃないですか。その中で、1年365日休みなし、1日2〜3時間の睡眠でも、仕事をちゃんとこなしましたから。最低でも10年はやり続けて、自分の名を残すぞ、って思いだったんです」
そう当時を振りかえるのは、デビュー35周年を迎えた田原俊彦(53)。朝から晩まで働いて、何年間もそれを継続することがいかに大事か、彼は強く感じているという。
「アイドル時代も、自分のポジションを放棄せずに一生懸命やって、今の田原俊彦ブランドってあるわけだから。仕事っていうのは、つねに真摯にやんないと。今どんだけ休んでんだ、って話ですけどね(笑)」
田原の歌手人生は、ジャニーズで15年、卒業後の20年。
「苦しくてつらい時期もあったかもしれない。でも、絶対にギブアップしたくなかったから、負けねえぞ!って気持ちでいつもやってたんです。世間が思う田原俊彦のいいときも悪いときも、正直、全然変わってない。このストレートさでまっすぐ行くから、あっちゃこっちゃぶつかるけどね、自分の中でそこがブレちゃったら、僕じゃなくなる」
53歳になった今でも、“トシちゃん”と呼ばれることをどう感じているのだろう。
「今も変わらずに“トシちゃん”って言われることがうれしいし、それがイコール、ブランド力なんじゃないかな。僕には僕のお客さんがいる。それは、1年や2年でできるものじゃなくて、長いこと放棄せずにやってきたから確立できた、もちろん冬の時代も含めてですよ。僕はいつも振ってたから、当たんなくても」
現在、バラエティ番組にひっぱりだこの田原だが。
「今、バラエティに出てわちゃわちゃやってるけど、僕は、歌って踊ってなんぼなんです。だから、ステージに関しては、いつも120%でやらないと。そこで手を抜いたら、俺、嘘つきになっちゃうから。そのルールだけはちゃんと守っているから怖くないですよ。こんな人生、僕しかやってないのよ(笑)」