8月29日、元小結でタレントの龍虎さんが循環器疾患のため、旅行先の静岡県で急逝した。享年73。

「龍虎さんは51歳と晩婚でしたが、彼の結婚が遅くなったのは、女優・浜木綿子さん(78)との“悲恋”があったからです」と打ち明けるのはベテラン演劇評論家。2人の交際が始まったのは、龍虎さんが角界を退いた75年夏ごろだったという。その7年前の68年に市川猿翁(74・当時猿之助)と離婚した浜木綿子は、1人息子の香川照之(48)を育てながら女優を続けるシングルマザーだった。

「子供好きの龍虎さんでしたが、肝心の浜さんの長男・照之くんは、ずっと龍虎さんに、なつかなかったそうです。龍虎さんが、浜さんの家を訪れたときも照之くんは、彼に背を向け、壁に向かって黙って座っていたのです。龍虎さんは“やっぱり、子供は難しいね”と、ポツリともらしていました」(ベテラン相撲記者)

浜は猿翁と離婚した後も、香川には“あなたのお父さんは尊敬できる人”と、教え続けていたという。香川は会えぬ父を慕うあまり、母の恋人である龍虎さんを受け入れることができなかったのだろうか。そして浜も息子の胸中を察し、再婚に踏み切ることができなかった。浜と龍虎さんが破局したのは’85年ごろだという。交際開始当時は、小学生だった香川は東大生になっていた。

 実は浜は、昨年3月に放送されたトーク番組『ボクらの時代』で、この10年愛の破局について明かしている。

「照之が(大学生の頃)、『もうそろそろ別れたらいいんじゃないか』って。それで、言いに行ったのよ、その相手に。あの子にとって父親は一人しかいないんです。そう(照之に)言われたって、(交際相手に)言いに行きましたよ」
 
番組では交際相手の名前を明かさなかったが、まさしく龍虎さんのことだった。

龍虎さんの斎場には、たくさんの花が供された。送り主のなかには、“浜木綿子”の名前もあったが、彼女が斎場に姿を見せることはなかった。浜はどこで、叶わなかった悲恋に思いを馳せていたのだろうか――。

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