流血を乗り越えて演じきった安堵からか、あふれる涙は止まらなかった――。8日のグランプリシリーズ『中国杯』フリー演技の直前。羽生結弦選手(19)は公式練習中、中国人選手と激突。再び現れた羽生は頭にはテーピングを巻き痛々しい姿。それでも不運を乗り越え、彼はリンクに立った。結果は堂々の銀メダルだったが……。

「普段の羽生選手なら、練習中に選手と衝突することは考えられない。集中力を欠いていた原因は、前日のミス連発が、精神的な重圧となっていたのでしょう」(スケート関係者)

 羽生自身が前日のSP終了後「最悪の一言です。かなり悔しいです」と嘆いていたように、中国杯での不調は目に見えて明らかだった。フィギュア関係者によると、羽生選手らしくないミスが多発した原因は、あきらかに練習不足だという。

「彼はトレーニングメニューをほとんどこなせないままシーズン初戦を迎えました。日本スケート連盟はブライアン・オーサーコーチが組んだ練習スケジュールを無視し、シーズンオフ中のわずか数カ月で50を超えるアイスショーに羽生選手を出場させた。浅田真央や高橋大輔不在の穴を埋めるために羽生を利用し、酷使してきたのです」(フィギュア関係者)

 練習の本拠地・カナダのトロントに入っても、日本でのスケジュールがあると、羽生は練習を中断して帰国するという生活が続いた。

「オーサーコーチは激怒し、ことあるごとに羽生選手を帰国させるスケート連盟へ『こんなことを続けていたらユヅが壊れてしまう!』と抗議しました」(前出・スケート関係者)

 このコーチの訴えに連盟は「意図は承りました」と返答したというが、スケジュールに変化はなかったという。

「羽生選手自身は、過酷な日程をぬってまでアイスショーに出演する理由を『ファンの方一人一人にお礼が言いたいんです』と話しています。しかし、そのために練習量を減らさなければならないことにも、ジレンマを感じていたようです」(前出・フィギュア関係者)

関連カテゴリー:
関連タグ: