「やっぱり福岡は恋しいです。食べものがおいしくて、お仕事で久しぶりに帰ったときは、焼き鳥のあとに長浜ラーメンも食べちゃったり(笑)。夜になると、月とか星とかもよく見えたんです。こっちは見えないなって寂しくなることも。でも、東京は夜景がきれい!」
そう話すのは、女優の吉本実憂(17)。’12年夏に「全日本国民的美少女コンテスト」グランプリを受賞し、その冬に上京。2年ほどがたった。
「お仕事をはじめたころは人見知りで前に出られない、いつも引いている存在で。そう自分で決めちゃっていたんですね。でも、『壁を壊せば成長できる』と言っていただいて、壁について考えて……。壊したらなくなっちゃう、自分のしてきた記録がなくなると思って、壁の前に出るというか、後にとっておくことにしたんです。そこから、すべてが成長のチャンスだと考えるようになって、女優になりたいと自覚しました」
今年、女優デビューを果たし、11月からはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』に出演。徳川家康(寺尾聰)の養女から、黒田長政(松坂桃李)の後妻となる役だ。
「栄姫役と聞いて、最初はわからなかったのですが、“歴女”の母が詳しく教えてくれて(笑)。戦国時代は力強い女性が多いので、心構えがいると思いました。現場では最初に、寺尾さんとご一緒させていただいて、とても気さくな方でしたが、役に入るととても堂々とされていて。ドラマでも寺尾さんが演じる家康を見ていましたが、現場に立つとより迫力があって深いんです。勉強になりました」
そして、12月13日には主演映画『ゆめはるか』も公開される。活躍の幅が広がりつつあるが、今後、どんな女優を目指す?
「尊敬する女優さんはたくさんいます。でも、自分らしさを大切にしたいので憧れの人はあえて作らないようにしているんです。10年後の目標は、家族に身内としてではなく、1人の表現者として認めてもらうこと。この女優すごいよねって心から言ってもらいたいなって。身近な人たちを笑顔にしていたいので、おばあちゃんになっても女優を続けていたいです」