この日、数えきれないほどの取材を受けていた波瑠(24)だが、どの質問に対しても疲れた表情を見せずに、自分の気持ちを言葉にして率直に語るさまは頼もしくさえ見えた。
「チャンスはみんなに平等にあるとはいえど、4度目の挑戦でしたし、どこかで自分にはご縁がないのかな、やっぱり手が届かないものなのかな……と思っていました」
4度目のオーディションでNHK朝ドラヒロインの座を射止め、『あさが来た』で、主人公・あさを演じている波瑠。現在、念願のステージで撮影に挑む日々だ。
「四六時中、あさを演じているわけで、そうすると私自身とあさを切り離して考えることができなくなる。私自身に芽生えた気持ちはあさにも芽生えていることですし、あさとの境目はなくなってきているような気がします」
まだまだ男性優位の時代に、女性実業家として力強く生きるあさに、特に共感する部分があったそうだ。
「この時代であさの反骨心や行動力はやはりすごいと思うのですが、抑えられる力に対して、負けないぞ!という気持ちがある部分は、私もあさに似ているかもしれません」
注目度の高い国民的ドラマのヒロイン。その重圧をしっかりと受け止め、覚悟を持って演じる。そんな強さをにじませていた。