「最近、高3の息子が看護師の学校に合格したんです。彼はいま静岡の高校に通っていますが、来年から家族4人で生活できます」
そう語るのは宮脇健(54)。宮脇が、ホームドラマ『ケンちゃん』シリーズの名子役として人気を集めてから40年以上。いまや彼も高校3年生の長男、小学5年生の長女の父親だ。
「本当に家族団らんの時間が戻ってくるのが楽しみです。僕が『ケンちゃん』シリーズに出演していたときは、家族と過ごす時間は少なかったですからね。家族で旅行に行った思い出もありませんし、家族写真もありませんでした」
小学4年生当時の年収はなんと8千万円!
「いまでいうと3億から4億円ぐらいでしょうか。ドラマの出演料だけじゃなくCMにもたくさん出ていましたからね。お小遣いも月に20~30万円もらっていました」
だが、その収入は宮脇や家族を幸せにしてくれるものではなかった。
「ずっと夫婦ゲンカも絶えなかったのですが、両親が離婚したり、兄が自殺したり……。父、それに僕自身も騙されて、借金を抱えることになったんです。金利を含めると3億円ぐらいだったと思います。居酒屋店員に交通量調査員、東京ガスの検査員など、借金返済のために40種類以上の仕事に就きました。妻と出会ったのは、そんな“どん底”の時期でした。彼女は美容師をしながら宛名書きの内職をして、借金返済を手伝ってくれました。完済できたのは彼女のおかげ、本当に世界一の女房です」
現在は借金どころかビジネスでも成功しているという。
「ダチョウは免疫力に優れていて、その卵黄エキスを使った化粧品などを販売する代理店をやっています。収入ですか? 子役時代ほどではありませんが、ほかにも仕事をしていますので8ケタ(1千万以上)はいっていると思います」
最近は約25年ぶりに映画にも挑戦した。
「来夏公開の『キリマンジャロは遠く』という作品で、僕は主人公の男性に恋するマスターの役です(笑)。実はいま、現代版のケンちゃんシリーズを制作できないかと考えているんです。僕はケンちゃんのおじいさん役で、現代から当時を振り返るような作品です。実現するのは東京五輪の翌年ぐらいになるでしょうか……」
『ケンちゃん』シリーズを卒業してから38年、彼はいまも、ひたむきに夢を追い続けていた。