「びっくりしました。自分の中身を知っているので、恥ずかしいです」。大人の女性をテーマにした黒のドレス姿で撮影を終えた吉本実憂(18)が、無邪気な表情でポツリ。周囲からは最近「大人っぽくなったね」と言われているそうだが?
「さっきもメークさんとずっと話し続けていたし、ふだんもずっと笑っているので……大人ではないですよね。でも、オンとオフの切り替えをしっかりできるようになったので、少し大人に近づいたかな(笑)。役に入り込みすぎたり、引きずられてしまうのは怖いと思って、お芝居をするときに、監督のかけ声で瞬時に切り替えようと意識していたら、自然とできるようになりました」
変化が訪れたのは心に邪悪さをもつ“モンスター女子高生”を演じた映画『罪の余白』。その悪魔っぷりは、共演した内野聖陽が太鼓判を押すほどだった。
「撮影前に1カ月のリハーサルがあって、邪悪さを探す作業から始まりました。でも、この役を通して、自分にもそういう部分があったんだなって。さすがに邪悪さを楽しむことは難しかったですけど、意外と自分の中から出てくるものがありました(笑)。お芝居の幅が広がっていったらいいな」
そして、現在は初出演となる月9ドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(フジテレビ系)で悪魔とは正反対のお嬢様役を。
「茶道、華道、家事が完璧な役ですが、作法は現場で教えてもらいながらやっていて。大河ドラマ(『軍師官兵衛』)で所作を学ばせていただいたので、生かされていたらいいなと思っています。大河はすごく緊張していたんですけど、中谷美紀さんが声をかけてくださって。誰よりも大きな声であいさつされていたり、歩き方ひとつとってもきれいで、人としてすごく憧れています」
自分のオリジナリティを大切にしたいという彼女は、女優としての憧れの人をあえて作らないという。そんな彼女の思う、かっこいい大人の女性とは?
「お酒が飲めるのは大人だなって思います。飲み物の上に泡がのっているのが、かっこいい。口についた泡を自然にハンカチで拭いている女性がすごいステキで、私もやりたいなって思いました。私は、仕事人間と言われることがあるんですけど、そうはなりたくなくて(笑)。こんなに夢中になったことがないし本当に楽しいから、仕事なんですけど、仕事じゃない。中身や根の部分はずっと子供のままでいたいです」