「役の上で病死する最期に向けて、小日向さんは徹底的に食事制限してきました。自宅では奥さんがカロリー計算した和食を食べ、体重は4キロほど落ちたそうです。“ねね”の名で知られる正室・寧役の鈴木京香さん(48)も、役中で彼を抱きしめた際に『こんなに痩せてしまったんですね!』と言って驚いていましたよ」(制作関係者)
好調な視聴率をキープしているNHK大河ドラマ『真田丸』。なかでも話題になっているのが、秀吉役の小日向文世(62)だ。彼が演じる秀吉は、”天下の人たらし“でありながらどこか不気味さを醸し出し、登場直後から大反響。7日放送が最後の出演になることから、「もっとあの怪演をみたかった」と巷で“秀吉ロス”が蔓延しそうなのだ。そんな実力派俳優の小日向だが、役者として花開くまでには“苦難の時期”があった。
「小日向さんが42歳のとき、19年間所属していた劇団が解散。その後は映画・ドラマなどに挑戦しましたが、“仕事らしい仕事はほとんど皆無”という時期が続いていたんです」(演劇関係者)
93年、当時39歳の小日向は11歳年下で同じ劇団員だった女性と結婚。2年後に長男、その3年後には次男が生まれている。
「劇団解散後は貯金もなく、事務所からギャラを前借りするなどしてしのぐ状態。しばらくは奥さんが働き、小日向さんは“主夫”として洗濯や掃除をするのが日課でした。家事の手が空いた時間は、毎日長男を連れて近所の公園に行く。それでも奥さんは、アルバイトもしないで家にいる小日向さんに文句ひとつ言わなかったそうです」(前出・演劇関係者)
“いつか必ず、仕事は来る”と信じ続けた小日向。そんな夫を、妻も信じ続けたのだ。 そんな“役ナシ引きこもり”生活が5年ほど続いたが、01年、木村拓哉主演のドラマ『HERO』(フジテレビ)に出演したことで大ブレイク。小日向は当時47歳の“遅咲き”だったが、その演技力にオファーが殺到し、現在までドラマや映画に引っ張りだことなっている。
「小日向さんは『今の自分があるのは妻と家族のおかげ』と話していて、“糟糠の妻”に対して今も頭が上がらないそうです。感謝の気持ちを込め、朝仕事に行くときは必ず子供たちをハグ。奥さんにも“行ってきます”のキスを欠かさないそうです」(前出・演劇関係者)
史実では、正妻・ねねに頭が上がらなかったという秀吉。小日向にとっても、実生活での『リアルねね』の存在は、ことのほか大きいようだ。