「親族は『遺体と対面していないし密葬の連絡もない。戒名も墓もない。三回忌法要といっても、どうやって供養していいのかわかりません』と嘆いています」(親族の知人)
11月10日は、悪性リンパ腫のため亡くなった高倉健さん(享年83)の三回忌にあたる。しかし三回忌法要が執り行われる様子は、いまだにないという。健さんといえば、元女優の小田貴さん(52)と養子縁組をしていたことが死後に発覚。大きな波紋を呼んだ。
「健さんは4人きょうだいの次男。ご存命なのは4歳年下の妹さんだけです。ところが健さんはその実妹に相談せず、身の回りの世話をしてくれた貴さんを養子にしました。健さんには40億円とも言われる遺産があり、それはすべて法定相続人である貴さんが相続しました。また葬儀を実妹や親族に知らせず、仕事関係者5人だけの密葬にしています。さらに戒名もつけず、遺骨は散骨されました」(映画関係者)
健さんが生前に取得していた鎌倉霊園の墓地には納骨されず、昨年の一周忌法要もなかった。それらはすべて、故人の遺言書どおりに進められたものだったという。養女の貴さんは、週刊文春15年2月12日号にこう胸中を綴っている。
《(健さんは)精魂込めて作り上げた作品が、映画そのものの話題ではなくプライバシーを含む周辺を彩られることを最も嫌いました。(中略)闘病に当たっては、そのプライドを共に守り抜き、しっかりと病と向き合うこと。退院するまで、決して泣くまい悲しい顔を見せるまい、と決心しました》
健さんの“遺言”を守り通し、映画俳優・高倉健の孤高を貫いた末の決断だったというのだ。いっぽう週刊新潮16年5月19日号では「『高倉健』実の妹が語った養女への不信感」と題し、4歳年下の実妹・森敏子さんの告白を掲載。貴さんが親族を呼ばず密葬を行ったことや散骨を行ったことなどに疑問を呈していた。
そして前出のとおり、いまも「どうやって供養していいかわからない」と戸惑いを抱えているという親族。そんななか、健さんが生きた証も消え去ろうとしていた。10月下旬、健さんが住んでいた世田谷区の豪邸には電気ドリルの音が響き渡っていた。全体がシートで覆われ、工事作業員が慌ただしく行き来していく……。周囲を囲う石塀には、「T」という透かし彫りが施されていた。建築概要書を見ると、建築主は《株式会社高倉プロモーション 代表取締役 小田貴》となっている。
週刊新潮16年6月2日号でも解体工事が行われていることが報じられ、当時は「人手に渡す可能性も」と伝えていた。解体が始まったのは今年5月23日。工期は7月16日までの予定だったが、現在も続いている。じつは養女は解体だけでなく、この地に新たな豪邸を建設していたのだ。
「正式には増改築ですが、これまでの自宅とはまったくの別物。以前は、庭に竹林や石灯籠や鶴の像などが配された昭和の風情が漂うご自宅でした。しかし、そんな和風庭園もクヌギの巨木も撤去され、鉄筋コンクリート造の洋風リゾートホテルのような豪邸に変貌を遂げようとしているのです。土地は全部で850平米あって、今回“改築”されているのは健さんが住んでいた本邸。約350平米あって、そこに300平米近い豪邸を建てています。土地だけでも3億円以上、新たな建築費も含めると総額4億円以上になるでしょう」(建築関係者)
着々と進められる豪邸建築は来年3月に完了する予定だという。天国の健さんはいま、いったい何を思っているのだろうか――。