主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の視聴率が右肩上がりの星野源(35)。2年連続で紅白歌合戦の出場も決め、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。だが星野の人生をさかのぼっていくと、そこから見えてくるのはいまとはまったく違う少年時代の姿――。
「小学校で教師に強く叱られたことが強烈なトラウマになって、それ以来、ご両親も彼のことを怒ることができなくなってしまったんです。叱るかわりに励ましたり、気持ちを紛らわせてあげるために冗談を言ってあげたり」(星野の知人)
大学受験に失敗して実家を出た星野は、東京・中野の沖縄料理店「あしびなー」でアルバイトを始める。ここで“超ビビリ症”の気弱少年は、一大変貌を遂げていく。店を訪れると、店主の金城吉春さんが出迎えてくれた。
「源ちゃんのファンかい?この前も栃木や仙台から来てくれて、源のおかげでこの不景気に助かってるよ!(笑)」
この店で星野は25歳までの6年間、アルバイトに励んだ。
「仕事ぶりは一生懸命だけど、たまに遅刻したな。プレッシャーに弱くて、お腹を下しちゃうらしく、阿佐ヶ谷から中野までの2駅の距離でも電車を降りてトイレに掛け込んでいたらしいよ」
お金がなかった星野は、店から料理の煮汁をもらって帰り、家でつけ麺を作って食べていたと当時を振り返る。
「店の塩も勝手に盗んで持って帰ってたよ(笑)。賄いはみんなで食べるから鍋とかが多いんだけど、あいつは片手でだらしなく食べててね。『ちゃんと両手で食べなさい!』とか、『背筋を伸ばして食べなさい!』って叱ったなあ。朝、お腹が痛くなったのも、俺がプレッシャーかけすぎたせいだったのかな(苦笑)」
叱られない少年時代から一転、金城さんの“熱血指導”で“更生”した星野は、ついに昨年、夢だった紅白歌合戦への初出場を遂げるまでに成長する。金城さんが続ける。
「じつは今年の初めに、源のお父さんが1人でわざわざ店に来てくれたんだよ。個性的なお父さんでね。源と違って酒もタバコも飲むし、酔っ払って終電を逃してね。『源を叱ってくれてありがとう』って言ってたな。夜通し飲みながら源の話をしてたよ」
出会いが星野を生まれ変わらせた――。