NHK朝ドラ『べっぴんさん』でヒロイン・すみれの義兄・野上潔を熱演している高良健吾(29)の人気が今、急上昇中だという。いったいなぜここまで見る人を惹きつけるのだろうか。そこで本誌はその魅力に迫るべく、彼の地元・熊本県へと向かった。
旅行会社に勤めていた父の影響で、幼いころから転校続きだったという高良。だがそのイケメンぶりは、どこにいても話題だった。中学時代を知る知人は、こう振り返る。
「中学2年生に上がる直前に、高良くんが福岡から熊本市内の賃貸マンションに引っ越してきました。彼は春休みの時点ですでにソフトテニス部へ入部してきたのですが、『すごくイケメンの転校生がやってきた!』とたちまち話題になっていました。お母さんも鈴木杏樹似のものすごい美人で、気立てのいい人。PTAの役員も『私がやります』と言って、快く引き受けてくださいました。息子が転校先の学校になじめるように、お母さんも頑張っていたのだと思います」
カッコいいだけでなく、礼儀正しかったという高良。中学校の目の前にある文房具屋の店主も絶賛する。
「当時からすごくハンサムで、『あんたはジャニーズ系の顔だからジャニーズに行け』と言っていたくらいです。それなのに、性格も人懐っこくてね。校舎の2階からよく手を振ってくれていました。卒業式の日にも『長い間お世話になりました』と挨拶に来てくれて……。そんなことをしてくれたのは、高良くんが最初で最後でした」
礼儀正しき“テニスの王子様”だった高良は、中学卒業後、熊本市内の九州学院高校へ進学。ここでも体育祭になるとツーショット写真を撮りたい女子生徒が列を成すほど人気だったというが、2年と3年の担任だった恩師・日吉伸孝さんは「最初に会ったときはとにかく覇気がなかった」と振り返る。
そんな高良を変えたのは、05年ドラマ『ごくせん2』(日本テレビ系)での俳優デビュー。そして「リアルごくせん」とも言うべき、“ヤンチャな仲間たち”との出会いだったという。
「当時のクラスは問題児だらけで、吹き溜まりのような状態(笑)。でもヤンチャと言ったら悪く聞こえるかもしれませんが、言い方を変えれば“エネルギーがあり余っている”ということなんです。実際話してみると純粋でストレートな奴ばかり。本当に楽しいクラスでした。そのなかで、高良は8人の友だちを見つけたんです。すると、だんだんと明るくなってね。そこから俳優デビューも決まり、みるみるうちに生き生きとするようになっていきました」
そうして周囲に助けられた高良もまた、仲間を思いやる“男気”を持つようになっていったという。
「あるときクラスの生徒が『高良にいじめられた』と言ってきたんです。そこで高良に聞いたら『……そのとおりです』と。私はいじめが許せないので、2発ビンタをくらわせました。でも後で分かったのですが、本当に悪いのは『いじめられた』と言ってきた生徒でした。悪さしたことを高良に注意されたらしく、その逆恨みで私に嘘の報告をしてきていたんです。ただ高良は『本当のことを言えば、あいつの悪事がクラス中に知れ渡ってしまう』と思い、自ら殴られ役を買って出ていた。そういうことができる、優しい奴なんですよ」
そして真相を知って謝った日吉先生にも、笑顔で応じていたという。出会ったころのような無気力さは高良からもう消えていた――。