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「幼いころの現場では『台詞を忘れていないかな』といつも本当に心配でした。今もそれは変わりませんが、少しだけマシになったかもしれませんね(笑)」

 

そう語るのは、高橋來くん(8)の母・真由美さんだ。NHK朝ドラ『ひよっこ』で有村架純(24)の弟・進役を熱演中の來くんだが、早くも「かわいい!」と話題になっている。それもそのはず、彼は13年のドラマ『Woman』(日本テレビ系)で満島ひかり(31)の息子役に抜擢された“天才子役”なのだ。

 

そんな彼の才能は、いかにして開花したのだろうか。だが真由美さんは「特別なことではなく、子供らしさを大事にする自然体の教育をやってきた」と振り返る。

 

「なるべく早く寝かせ、9時間ぐらいは睡眠をとらせるようにしています。小さいころは寝かしつける際にいつも絵本を読み聞かせてあげました。『たまごのあかちゃん』という絵本がすごく好きでね。それこそ、破けるくらいまで読み続けていました。あとは空手を幼稚園の年少から3年やらせました。私も剣道二段なので、武道をやらせたかったんです。精神修行になりますし、練習中に大声を出すことでストレス発散もできますから(笑)」

 

また叱る際も怒鳴るのではなく、理由をきちんと説明。理解させた後にハグをして褒めてあげるという真由美さん。そうした母子のスキンシップを大切にしてきた。

 

「マネージャーさんには『アメリカ人みたいですね』と言われます(笑)。でも來は男の子ですし、どんどん母親から離れていってしまうと思うので。今はなるべく体に触るようにしているんです。『ねっ!』と言って肩を叩いてあげるとか、意識しています。私も子供のころは親に触られて、温かい気持ちになった記憶がありました。だから私も子供に対してなるべく“触れる手”でありたいと思っているんです」

 

そんな母の教育もあってか、だんだん想像力豊かに育っていった來くん。その影響は自宅での遊び方にも現れているようだ。

 

「來は『LaQ』という知育ブロックが好きで、何でもそれで作ってしまうんです。ミニカーを買わなくても車を作ったり、説明書も見ないで観覧車やロボットも作ったりする。だからうちは、あまりおもちゃを買いません。最近は、ロケットの設計図を書いたりもしています。アニメで見ていたので、その影響なんでしょうか。あまりモノを欲しいと言わない子に育っていますね」

 

そしてドラマでは膨大な台詞の役も完璧に演じきっていた來くんだが、実は意外にも“言葉を覚えるのが遅い子”だったという。そんな息子が心から台詞を表現できるように、真由美さんは陰でこんな工夫をしていたのだ。

 

「実は今も言っていることがよく分かりません(笑)。いつも自然体だからでしょうか、自分のペースで言いたいときにいきなり話し始めるので。周囲にもなかなか理解してもらえなかったりします。だから普段は台本を読んであげていっしょに覚えているのですが、大事な告白シーンなどではあえて共演者の部分を読まないこともあります。事前に知ってしまうと本人の感動がなくなっちゃうので、うまく演じられない。だからそんなときは『ここは相手の台詞をよく聞いていてね』と言うようにしています」

 

今後、來くんにどんなふうに成長してほしいのか。母としての夢を聞いた。

 

「将来も俳優さんであってくれれば嬉しいですが、決めるのは本人ですから。いっしょに現場入りすることは私にとっても勉強になりますし、そうやって子供の成長を見られるのは嬉しいこと。だからこれからも子供のサポートを楽しんでやれたらいいなと思っています」

 

天才子役を育んだのは“超自然体”な母の教えだったおようだ――。

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