「今年2月にうちの事務所が主催した舞台が増席するほど好評で、そういう舞台がやりたいと脚本家の江頭美智留先生から相談がありました。そこでうちの女優2名をお貸しするかたちで始まった話でした。看板となる女優が欲しいという話をしたところ、江頭先生が『最近、鈴木砂羽さんからメールが来る』と話していたので、『それなら主演は鈴木さんでいいじゃないですか』ということになった。鈴木さんは主演を受けてくれたのですが、演出も自分でやりたいと言い出して……」
そう語るのは、鈴木砂羽(44)の演出・主演舞台『結婚の条件』を降板した鳳恵弥(36)と牧野美千子(52)が所属する事務所の関口忠相社長だ。鈴木は並々ならぬ情熱をこの舞台に注いでいたという。
「鈴木さんは今回が舞台初演出。彼女は以前から、来年には自身のプロデュース公演をしたいと公言していました。今作をその足掛かりと考えていたようです」(演劇関係者)
だが、その“やる気”は時に空回りしているかのように見えたという。
「舐められたくないという思いが強かったためか、舞台の稽古初日から威圧的に見えました。8月初頭に、本読みが始まったのですが、鳳さんと牧野さんは9月から始まるネットドラマの撮影のために、稽古に来られないことがあった。ここで甘い顔を見せてはいけないと考えたのではないでしょうか」(前出・演劇関係者)
関口社長は、当初から鈴木の演出家としての手腕に疑問を抱いていたという。
「演出経験の少ない鈴木さんは、自分が連れてきた女性演出助手に頼りっぱなしでした。一方の演出助手は鈴木さんの言いなり。演出助手が『食えない劇団員のために鈴木砂羽が演出してるんだから』と、ウチの女優も含めてみんなの前で言ったときにはびっくりしました」
鈴木は稽古で、“女王”のように振る舞っていたという。
「初日が近づくにつれて、イライラが激しくなってきて。鳳さんと牧野さんに『何で役の心情がわからないかなぁ!』と、よく怒鳴っていました」(前出・舞台関係者)
鈴木は以前から、許せないことがあると激昂する癖があったと語るのは芸能関係者だ。
「鈴木さんはプロ意識が高いぶん、いい加減なことが許せなかったようです。ある連続ドラマの制作発表で、出演者の控室が全員同じ大部屋だったことがあったんですが……会見が終わり、控室に戻ると鈴木さんのバッグが置きっぱなしになっていたんです。すると付き人を控室の外に呼び出して、『盗まれたらどうするのよ!』と怒鳴っていました。ミスだとしても、そこまで怒鳴ることかと、共演者たちは凍り付いたと」
舞台への強い“情熱”と“激昂癖”。両者が重なり合い、共演者との軋轢を生んでしまったのかもしれない。