(イラスト:ちたまロケッツ)
『お笑い』→『海外ドラマ』→『マンガ』→『ラジオ』の4ジャンルを週替わりで、そのスペシャリストが“最推し”を指南する『今週の萌えガタリ』。今週は『お笑い』ということで、『オモロー山下』として活動した元芸人で、現在は本誌でタレントのインタビューや対談の記事を担当する山下しげのり記者が最推し芸人を紹介!
【最推し芸人】GAG少年楽団
編集部「ついに今週末、キングオブコント(以下・KOC)決勝ですね! 記念すべき10代目チャンピオンが誰になるか、ドキドキします。準決勝も見ましたが、面白かったですね」
山下「今年の準決勝は、例年と違って披露するネタ数が2本。両方ともきちんと外さずにウケるって難しいんです」
編集部「山下記者の優勝予想は?」
山下「難しい中でも2本とも爆笑をかっさらっていたトリオ、GAG少年楽団ですね」
編集部「確かに、爆発力がすごかったです! シュールなシチュエーションだけど展開がありましたね」
山下「ツッコミのワードがいちいち秀逸でした。ツッコミの福井(俊太郎)は間違いなく、ワードチョイスの達人・南海キャンディーズの山ちゃんレベルです」
編集部「例えツッコミですか?」
山下「例えツッコミというより、福井自身の状況や心境を叫ぶ、という感じですね。南海キャンディーズは、しずちゃんのボケ自体はお客さんも『なんか変なことしてるな~』という感じ。だけどそこに、山ちゃんの鋭い例えツッコミが入ることでお客さんにも明確な意味が伝わり、笑いが爆発する。GAG少年楽団も、宮戸(洋行)・坂本(純一)のやり取りの段階ではあまり反応はないけれど、福井がツッコんだタイミングで笑いが起こってるんです。共通点はツッコミが笑いを主導するところです」
編集部「これだけの実力があっても、今回決勝初進出なんですね。準決勝の結果発表で泣いてた姿が印象的でした」
山下「9年連続で準決勝までいってますからね。芸人の世界では賞レースの準決勝までいけば実力者、と認識されます。でも、彼ら去年解散寸前だったらしいですよ」
編集部「えっ!」
山下「ウケてるのに決勝に行けない時期が続いたので『もう解散しよう』となったのを、メンバーの坂本が『もう1年だけやらしてくれ!』と止めたんだそうです」
編集部「坂本さんファインプレー!」
山下「坂本は決勝のネタ順を決めるクジ引きでも10組中9番目を引き当てましたからね。ネタ順が重要な賞レースにおいて、これは有利。GAG少年楽団のラッキーボーイです」
編集部「芸歴12年目、オリエンタルラジオやトレンディエンジェルが同期なんですね」
山下「同期を意識しているか、と聞いたら『同期よりコントやってる人に負けたくない』と返ってきました。KOCへの情熱は人一倍。決勝ではどう笑いをとるか楽しみです」