「私は戸田さんの老け込んでないところが大好き。どこかスッキリしていて。自分にない部分だから憧れてます。歌も踊りもお上手で、ミュージカルにもってこい!」
そう話すのは、日本を代表する演技派女優の渡辺えり(61)。4月9日から始まる山形公演を皮切りに、東京・兵庫・福岡・鹿児島での公演が決定しているミュージカル『わがまま』で、戸田恵子(58)と初共演にして2人だけの舞台に挑む。お互いに「自分にないものを持っている」とリスペクトしあう2人。舞台さながらの本音を語ってくれました。
渡辺「初日は私の故郷、山形でやるんです。友達とか従妹とか、にぎやかなおばさんたちが手伝ってくれるけど大丈夫かしら(笑)」
戸田「面白そう!(笑)」
渡辺「『楽屋、入っていいですか?』って言いながら、もう入ってる可能性があるから心配だけど(笑)。介護施設にいる私の母も、見に来ると思います。見ていられるかどうかわかりませんけどね。戸田さんも、お母さまの介護は大変だったんですよね」
戸田「誰にでも起こりうること、と思いつつも、大変でしたね」
渡辺「10年かかってもまだ思いが残っていますもんね」
戸田「はい。いちばん会いたい人が母ですね。がんを3回患って、認知症にもなっての自宅介護でした。抗生剤治療などいろいろやって、壮絶な体験や悲しい風景もいっぱいありました。思い出すと震えて落ち込むこともありますが、そんな苦労を言わないで生きている人はたくさんいらっしゃるんですよね。私の周りにも、私より先に親を亡くしている人がいますし」
渡辺「そうですよね……」
戸田「もし、認知症とがんのどちらかを治せるとしたらどうしますか?という問いがあったなら、私は認知症と答えます。会話ができないことがいちばんつらかった。母が聞いてきたことにはこちらは答えられるけど、母は私の聞きたいことに何も答えられなかったので」
渡辺「しんどいですよね、会話が通じないってことが」
戸田「何で認知症になったのか、その入口が見つからなかったこと、私が気づけなかったことが、いちばん悔しかったですね」
渡辺「私は認知症予防のためにイチョウの葉エキスを飲んでますよ!効くらしいのよ」
戸田「私も飲もうかな」
渡辺「戸田さん、ストレス発散はどうしてるの?私はお風呂に1時間入って新聞を読むのがストレス発散だったのに、医者から、逆に『体に悪い』って言われてできなくなっちゃった」
戸田「意識しては何もしてないんですけど、どっかで発散してるのかしら」
渡辺「戸田さんは友達がたくさんいるでしょ。一緒に笑ったりする友達がいるってことはいいことですよねぇ」
戸田「確かにありますね。今、ちょっとでも時間があったら、会ってない人とか、後輩とかとご飯食べたりしています。それがストレス発散かもしれない。あとはお芝居見たり、ライブ見たりするのが好きだから、それもいいのかも」
渡辺「私も好き!お芝居見るの」
戸田「えりさんとよくお会いしますよね。芝居や落語の会場とかで」
渡辺「(立川)志の輔さんのとき、席が隣だった!」
戸田「お相撲も、久しぶりに見に行く予定なんですよ」
渡辺「相撲、見たことないなぁ。痩せた人は太った人見るのが好きだけど、太った人は自分を見るような気がして見たくないの。ハハハハハハ!」
戸田「おかしい〜(笑)。ハハハハ」