NHK大河ドラマ『真田丸』(毎週日曜20時~ 総合ほか)で、主人公・真田信繁(堺雅人)の3番目の妻・たかを演じる岸井ゆきの。パッチリした目のキュートなルックスと透明感のある自然体な演技が見る者を引きつける。4月クールのドラマで視聴率ナンバー1を記録した『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系)にレギュラー出演。今年、最も注目される若手女優の一人として注目される中、今回、大河ドラマに初挑戦、と波に乗っている。そんな自分について「今、頑張んなきゃ! って思ってます」と岸井。『真田丸』の出演のオファーは突然舞い込み、オーディションなどは一切なかったと話す。

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「突然連絡が入って。どういうことだろう? 今、放送中だよね? と。マネージャーから『大河ドラマの出演が決まりました』って言われても、最初は、喜びよりも驚きと疑いが先にあって、ようやく次の日くらいから、体が宙に浮くくらい嬉しくなりました」。

 

また、着物を身につけたときの芝居や所作を学ぶため、以前から時代劇に関心があったとも。

 

「実際やってみると、ふだんの芝居と全く違いました。撮影の翌日は、背中が筋肉痛になるくらい体がこわばってしまっていて(笑)。洋服のときは、姿勢を意識することはあまりなかったんです。次回、時代劇に出ることがあったら、もう少しリラックスして演じたいですね」

 

岸井が演じたたかは、7月17日放送の第28回で自ら命を絶った父、豊臣秀次(新納慎也)が生前、信繁に運命を託した娘。「少しミステリアスというか、何かを背負ってきた人だと台本を読んで思いました。たかのセリフにもあったのですが、父の秀次が波のある人なので、彼女はその反面教師なのかな?(笑)。とても冷静に、物事を俯瞰して見られるところが魅力だと思います。自分の中にあるものを絞り出したので、そう見えていたらいいなあ」と演じた感想を話す。父親役の新納の印象は?

 

「キュートな秀次がそのまんま画面から出てきたような感じ(笑)。年下の私が言うのも失礼ですが、すごく愛嬌があって優しくて。すぐに打ち解けてお話することができました」

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信繁役の堺については、岸井の舞台を見たことがあるとスタッフに話しているのを偶然聞いて感動したと語る。「私の見えないところで話してくださっていて。すごく、ジーンとしました」。その信繁との共演でいちばん印象に残っているのは、信繁がきり(長澤まさみ)にたかを紹介したシーンだという。「きりさんが泣いているシーンで、信繁さんがすごく冷静に『妻を娶ることになった、2人だ』と。そこに私が出てきて、『よろしくッス!』みたいな感じでお辞儀するんですよ。それが、あまりにもあっけらかんとしていて何だか面白くて(笑)。印象的なシーンになっていると思います」と目を輝かせる。初体験の三谷作品について、こう続けた。

 

「高校生のときに『ラヂオの時間』を見て大好きになりました。劇中の『いろいろ妥協しながら作っているけど、いつか作り手も、見る側も満足する作品ができる』というセリフに感動したんです。『真田丸』で、三谷さんの台本を初めて読みましたが、まず、立体的に絵が浮かんでくるなあって思いました。地面から1センチ浮いている感じというか。三谷さんにはまだお会いしていませんが、今後、ご一緒できるチャンスがあったら、精いっぱい応えたいです」

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’09年にドラマ『小公女セイラ』で女優デビュー後、映画『銀の匙 Silver Spoon』(’14年)、『ストレイヤーズ・クロニクル』(’15年)などに出演。最近では、日清カップヌードルのCMで、サラリーマンのおじさんに電車の中で壁ドンされる女性に扮し、話題を呼んだ。今年は、『ピンクとグレー』をはじめ、現在公開中の『二重生活』『森山中教習所』など8本の映画に出演。信繁の2人目の妻で正室・春(竹林院)役で出演する松岡茉優(
21)などと並び、演技派の呼び声が高い。

 

「初めての時代劇で学んだことは、着物での畳の歩き方です。特訓したおかげで、視線を落とさず、畳の縁を踏まずに歩けるようになりました(笑)」と自身の成長を語るが、信繁の妻となった後のたかの成長ぶりにも期待したい。「見る人に、いつもいろんな役をやってるという印象を持ってもらえるような、演技の幅の広い、息の長い女優さんになれたらいいなあと思います」

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