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「選ばれたスターしかテレビに出られないと思っていたのに、『ボキャブラ天国』はネタをやる前に芸名と事務所名が紹介される。こういう事務所に所属すればテレビに出られるって、一般人でも出られるような錯覚を起こさせたんですよね。だから、勘違いして、東京に行っちゃったんです」(山根)

 

隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第65回のゲストは、お笑いコンビ・アンガールズの田中卓志(40)と山根良顕(40)の2人。広島出身の広島カープファンということで、会場はカープファンが集う「Big-Pig 神田カープ本店」に。そんななか、ひとりジャイアンツファンの中山は超アウェー状態!事務所の先輩・後輩でもある3人の鼎談、スタートです!

 

中山「2人は仲いいよね。コンビだとありがちだけど、今まで衝突や決裂はなかった?」

 

山根「コンビだと一緒にいる時間が長いから、3年目くらいまでは田中が散髪しただけで、腹が立ってた時期もありましたよ」

 

田中「僕は山根が折り畳みのガラケーを机に置いて、ノートパソコンっぽく打ってたのが、異常にムカついて(笑)。でも、コンビである以上は、いちばん相方を知っていなきゃいけない。仲が悪くてケンカしているようなら、僕らの強みも出ないんです。テレビに出ると、唯一の味方が相方。そういう味方を使わないなんて、ただ自分の首を絞めてるだけって気づいたんです」

 

山根「芸人のなかでは、コンビ仲が悪いのがカッコイイみたいな風潮がありますが、損しかしないって、ちゃんとお笑いスクールで教えるように言ったほうがいいですよね」

 

中山「今はピンの仕事も多いでしょ」

 

山根「ひとりだから怖いけれど、ひとりのときも結果を出さないと、アンガールズのほうに返ってきちゃうから頑張らないとって」

 

田中「やっぱりピンって難しいんですよ。僕はとにかく思いついたことをバーバー言いたい放題言って、あとは編集にお任せするというスタンスで(笑)」

 

中山「今でもネタは作ってるの?」

 

田中「作ってます。先日も久しぶりに単独ライブをやりましたし、今年は『キングオブコント』にも出ようと思っています」

 

中山「それは何で出ようと?」

 

田中「僕たち、『お笑いホープ大賞』で優勝しているんですけど、その大会がなくなっちゃったんですよ。『え、何それ?』とか言われるのイヤだし、腹立つし。あと、『キングオブコント』は松本(人志)さんやさまぁ〜ずさん、バナナマンさんたち審査員がすごい人ばかり。お金を払ってでも採点してもらいたいし、単独ライブでいいネタもできたので、出てみようかなって」

 

中山「今でもネタを続けているのはすごいよ」

 

田中「でもネタって全然お金になんないんですよ。もうちょっとお金にならなきゃ、みんなネタやめちゃうじゃないですか」

 

中山「時間も労力もかかるしね〜」

 

田中「実力がある芸人がネタを作り続けたら、お笑い界にももっと面白いネタがたくさん生まれる。でも、テレビに出るのとネタをやるの、お金になるのはどっちだろうと比べたら、やっぱりテレビなんです。僕たちもテレビにすごく出ていたら、ネタはやりませんよ(笑)。僕たちもちょっと前は、DVDがバーッと売れて、お金も入ってきたのに、今ではテレビでやったネタを動画にアップするやつがいるから、誰もDVD買ってくれないんです」

 

山根「動画を見た人もお金落としてくれたらいいんですけどねー。ネタにも著作権とかあればいいのに!」

 

中山「より多くの人に見てもらいたいっていう考え方もあるじゃない」

 

山根「プロモーションの一環だとも考えられますけど。それで面白いと思ってもらって、またテレビに呼んでもらえたりするので」

 

田中「ネタを作って、ライブをやって、笑ってもらえたら、確かにすごい充実感はあるんです。あと、足りないのがお金だけっていうだけで……。9月には『ワタナベエンターテインメントライブ お笑いネタ祭り2016〜WELFES〜』にも出演します。ネプチューンさんやロッチ、ハライチなど実力派芸人たちもたくさん出演するので、我々も気合いが入っています!」

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