現在公開中の映画「L-エル-」に出演している俳優・平岡祐太(32)にインタビュー。
同作は、’15年2月にリリースされて以降、販売枚数は総計20万枚以上を記録し、『CDショップ大賞2016』の入賞作品に選出された人気アーティスト・Acid Black Cherryの同名コンセプトアルバムが原作。「愛」をテーマに、エルという女性が歩んだ壮絶な人生を14曲のトラックで表現したABCの世界観を、数多くのミュージックビデオを手掛け、映画『SHINOBI』などで知られる下山天監督がメガホンをとり、広瀬アリス、古川雄輝、平岡祐太ら豪華キャストで完全映画化。
平岡は、劇中でエル(広瀬アリス)を思うがゆえに歪んだ愛情をぶつけてしまう劇団青年役を演じている。
――演じた感想はいかがですか?
自分の夢や才能を信じて疑わない劇団青年。だけど、現実と理想のズレが徐々に生じてきて、エルにあたりはじめてしまう暴力的な面も持っていて。はじめは普通の素朴な青年だったのに、どんどん狂暴化していくというキャラクターの変化は、役者として魅力的ですし、演じていて楽しかったです。
――物語が展開するにつれて狂気に満ちていく姿が印象的でした。役作りで特に力を入れたことはありますか?
2週間くらい一日一食の食事制限をして、精神状態を追い詰めていきました。さらに撮影の最後の3日間は、より厳しくしてほぼ何も食べないようにしていました。お腹が空きすぎると、眠れなくなるんです。体力的に厳しかったですが、肌の質感や頬のこけた影によって、よりリアルに青年が秘める狂気を作ることができたと思います。
――原作のコンセプトアルバムを聴いたときの感想は?
僕が20歳くらいのころからずっと活躍されているアーティストさんなので前々からミュージックビデオなどは見ていたのですが、アルバムがひとつのストーリーになっていて斬新だと思いました。世界観を理解するために、毎回アルバムを聴きながら撮影現場に行っていました。
――映画では映像の美しさも印象的でした。
「ティム・バートンのような世界観ができたらいいんじゃないいか」という監督の提案で、きらびやかな架空の街が完成しました。CGが多いのでグリーンバックでの撮影が多く、街並みを頭で想像しながら演じるのは、なかなか挑戦でした。
――共演した広瀬さんとのエピソードはありますか?
会話をしなかったのがエピソードかもしれません。仲良くしていると、暴力を振るシーンがうまく撮れないと思ったので、エルと青年の関係をリアルに表現するためにも撮影の合間もコミュニケーションはあまりとらないようにしていました。
――平岡さんのお気に入りのシーンは?
エルに向かって銃を撃つシーン。ファンタジーの世界らしいびっくりするような銃が出てくるので、これから見る方には注目していただけたらと思います(笑)。
――下山監督の印象は?
役者の疑問に、とことん向き合ってくれる監督なので、いろいろなことを相談しました。台本にはないセリフを入れてもらったり、撮影をしながらもストーリーが変わっていくなんてこともありました。下山監督とは’09年にドラマ『ゴッドハンド輝』(TBS系)でもご一緒したことがあったのですが、その時は人を助ける善良な医者の役だったので、今回、撮影をしながら「こういった(ヒールな)役もできるんだね」と言っていただけました。
――2016年も終わりが近づいていますが、今後演じてみたいキャラクターなど、目標はありますか?
すっごくピュアなラブストーリーとか出てみたいです。好青年だけど、どこか欠点のある残念な男性役が多かったので(笑)。ヒロインをしっかりと守れるような頼もしい役を演じてみたいです!
【作品情報】
映画「L-エル-」絶賛上映中!
公式サイト:http://acidblackcherry-movie-l.net/
■ストーリー
ただ、私は愛されたかった…欲しかったのは、愛。 “色のない街”で生まれ、両親に愛情を注がれて幸せに育った少女エル(広瀬アリス)。ところが両親の突然の事故死により、エルの人生は一変していくこととなる。悲しみに打ちひしがれる幼きエルを得意の絵で元気づけたのが、幼なじみの絵描きの少年オヴェス(古川雄輝)だった。エルとオヴェスは互いを励ましあいながら生きてきたが、成人したエルは“ある選択”を迫られ、突然消え去るように故郷から去っていき、二人は離れ離れになる。誰かを信じては裏切られ また誰かを信じては傷つけられ、襲い掛かる運命に翻弄されながら波乱の人生を懸命に生きたエル。そして遠い故郷からエルを想い続けたオヴェス。二人の生涯を綴った壮大な物語が“真実の愛”とは何かを描き出す。
■CAST&STAFF
出演:広瀬アリス、古川雄輝、高橋メアリージュン、平岡祐太、前川泰之、成田凌、弥尋、Mikako(FAKY)、古畑星夏、田中要次、高橋ひとみ
原作:Acid Black Cherry 4th ALBUM「L-エル-」より
脚本:下山天、阿久津朋子 監督:下山天
制作プロダクション:AOI Pro.
配給:東宝映像事業部
(C)2016映画「L-エル-」製作委員会