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「アイドル時代、人間関係は大丈夫だったんです。みんな、仲よしでした。ただ、応援してくれる人の数が、必ずしも歌うポジションや選抜の選考に反映されないことがあったので、それは辛いなと思ったことはありました」

 

そう語るのは、’08年のデビュー以来、SKE48の創設メンバーとしてセンターも取り、その後も本家AKB48にも選抜入りするなどトップアイドルとして活躍した松井玲奈(25)。昨年の卒業公演を経て、現在は、舞台や映画を中心に活動する彼女が、アイドル時代の苦悩、卒業秘話を、本誌を通じて語った。

 

「23歳のとき、’14年の選抜総選挙で5位になったんですけど、次のシングルで15番手くらいまで落ちたんですね。若いメンバーも推していきたいっていうことなんでしょうけど、ファンの人の持つ投票権は(CDの)特典として付いているものなので、『オレたちは頑張ったのに』とがっかりさせちゃうのが申し訳なくてイヤでした。それなら選挙にお金を使うんじゃなくて、1回でも多く私が出た舞台や映画を見ることに使ってもらいたいなと思って。そういうこともあって、翌年は総選挙を辞退したんです」

 

20歳を超えたころから、卒業についてはずっと考えていたという松井。

 

「17歳くらいから第一線で活躍している女優さんもいますよね。私はすでにその時期を過ぎていたので、そろそろ外に向かっていかないとダメだなと。正直、焦りもありましたね。卒業を決めたとき、お母さんの『頑張ってね』のひと言で、自分の選択はこれでよかったと思えました。お母さんは、私のすべてを全部受け止めてくれる存在です。たとえば明らかに私のほうに原因があることで、すごく腹を立てていても、お母さんは話を全部聞いてくれて道標となってくれるので、安心して何でも話せます。いまでも、ほぼ毎日、連絡は取り合っていますね」

 

女優として独り立ちしてからも、母の存在感はますます大きくなっているという。

 

「SKE48を辞めてしばらくは、今夏の『新・幕末純情伝』での主人公の沖田総司役などで忙しかったんです。この舞台を終えてようやく、デビュー以来8年ぶりに1週間のお休みをもらって、ずっとしたかった台湾旅行へ行ってきました。ひとり旅だったせいか、あらためて親のありがたみを感じています。いまも、体調が悪かったとき、私が『来てほしい』と言うと、お母さんはお父さんと車で豊橋から駆けつけてくれるんです。うちに泊まって、手料理を作り置きしてくれます。母の料理で好きなものは、きんぴらごぼうにかぼちゃの煮つけ。わが家のレシピは独特で、かぼちゃを煮てレモンとハチミツであえたもの。私の心と体のエネルギー源です!」

 

来年早々、女優として新境地を開いたと評判の『新・幕末純情伝』の地元・豊橋での公演が1月に、また4月には主演映画『はらはらなのか。』の公開も控えている。

 

「私にとっては、幼いころからの夢だった舞台での凱旋公演となるので、両親にはぜひ見てもらいたいです。もう一つ、夢があります。実家にホームシアターをプレゼントしたんです。映画好きのお父さんが、自宅の大きなスクリーンで私の出演映画を見るのをすごい楽しみにしてて。いつか、両親と一緒に自分の出た映画を見たいので、今後は女優として映画の仕事も頑張っていきたいと思います」

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