「今まで自分自身の笑いの沸点って、高くてシビアなほうだと思っていたんですけど、撮影現場では息つく暇もないほど笑っています」
そう語るのは、10月2日より放送が始まったNHKの連続テレビ小説『わろてんか』でヒロインの藤岡てんを演じる葵わかな(19)。舞台は明治後期から昭和初期。タイトルが大阪弁で“笑ってください”の意味である今回の朝ドラは、てんとその夫・藤吉が日本中を笑いに包むべく二人三脚で奮闘していく物語。
朝ドラのオーディション3回目でつかんだヒロインの座だが、ヒロイン発表時は「合格する自信がなかったので、実感がまったくない」と話していた葵。それについて言及されると「ネガティブですよね……」と苦笑い。しかし、クランクインから3カ月が過ぎ、変化も出てきたと話す。
「以前は、てんちゃんと自分は別の人という捉え方をしていました。てんはいろいろな感情をポジティブに変換できるコなので。でも、いつもてんの気持ちを考えながら過ごしているうちに、最近はてんと自分を切り離すことのほうが難しいくらいになっています」
それにはドラマ同様、現場の明るい雰囲気が大きく関係しているそう。
「一日ひと笑いは絶対しています。アドリブに笑わされたり、松坂(桃李)さんが撮影の合間に『情熱大陸』風のナレーションをしているのもおもしろいです。たとえば、照明さんの作業中、『彼は、光を追い続ける……』みたいに(笑)。共演者、スタッフの方々が、毎日笑えるような雰囲気を作ってくださっています。そのなかで私に何ができるかを考えると、てんと同じで、明るく笑っていること。悩んでいるときでも笑顔でいることで、まわりにもいい影響が与えられる。そう考えられるようになったのは、自分自身の成長かなと思います」
夫・藤吉役の松坂桃李から「てんと藤吉の話でもあるから、なんでも相談してね」と言われたことも心の支えになっているという。タイトな撮影スケジュールも、そんなチームワークと笑いで乗り切る日々だ。
「残りの撮影期間もすぐ終わっちゃうのかなと考えると寂しくなってきます。撮影期間限定の“家族”と、悔いがないように力を合わせて最後まで駆け抜けられたらと思います」
てんを演じることで、話す言葉もなんだかポジティブになっている!?
「笑いに人生を懸けた2人の情熱が、多くの人に伝わり広まっていくお話です。朝の心地いい笑顔を届けられるよう、頑張ります!」