第二回「いただくお作法～お菓子編～」

オフィスや、お仕事終わりにホッと一息つきたい、お道具を揃えてきっちり始めるには、まだ･･････という女性も多いのではないでしょうか。OL茶道は、その名のとおりカジュアルに楽しめる茶道を目指して、遠州流茶道　小堀優子（26）と、茶道にチャレンジしたいアイドル・森咲樹（アップアップガールズ（仮））が、教え、学びながら新しい茶道を提案。

小堀優子「咲樹さん、前回とは雰囲気がだいぶ変わられましたね。髪の毛もしっかり結ばれていますし、お洋服も、とてもお似合いですよ」

森咲樹「ありがとうございます。教えていただいたように、シフォンでゆったりとしたスカートで、膝下丈にしてみました。なんだか、これだけでもちょっと大人の女性に近づいた気持ちがします」

小堀優子「では、お抹茶をいただくのにふさわしい服装になられたので、さっそくお菓子とお抹茶を召し上がっていただきたいと思います」

森咲樹「楽しみです！」

小堀優子「まず、お菓子の召し上がり方から始めましょう。お茶では必ず、人が目の前にお菓子や、お茶を運んできますので、その人の一礼にあわせて、軽く会釈をしてください」

森咲樹「（会釈）」

小堀優子「日本の文化では、器を手にとって（食べ物を）いただく、というのがマナーとなっていますので、お菓子器を手に持ちます。そして、声を発さずに「いただきます」の気持ちを込めて礼をします。これを「おしいただく」と言います」

森咲樹「おしいただく･･･････はじめて聞きました」

小堀優子「お菓子は菓子楊枝で切ってお召し上がりください」

森咲樹「結構、大きめですよね」

小堀優子「そうなんです。女性ですと、上品にいただこうと思ってすごく小さく切る方もいらっしゃるのですが、そうするとお菓子がぼろぼろ崩れてしまって逆に汚くなってしまいます。ですから、まず半分に切って、それからさらに食べやすい大きさにするのがいいと思います。どうぞ、召し上がりながら聞いてくださいね」

森咲樹「なるほど。私もきっとそうしちゃっていたかも。じゃあ、まず半分に分けて･･････（食べる）」

小堀優子「茶道では必ず先にお菓子を召し上がっていただきます。なぜなら、お抹茶は香りと共に、ほんのりとした苦味も楽しみますので、先にお菓子を食べて、口の中を少し甘くさせてからお抹茶を飲むというのがルールになっています。もともとはお食事をいただいた後にお茶をいただくのが正式なお茶会の流れです。お菓子は本来、食後のデザートといった意味でもあったのです。お抹茶が出る前にお菓子は全て召し上がってください。今日のお菓子はいかがでしょうか？」

森咲樹「美味しい♪　甘いですね。私は洋菓子も好きなんですけど、和菓子のほうが好きなんです」

小堀優子「よかった。これから毎回美味しいお菓子をご用意しますので楽しみにしていてくださいね」

森咲樹「ありがとうございます！　嬉しいです♪　私、あんこが大好きで、チョコレートよりもあんこ派なんです」

小堀優子「じゃあ、ぴったりですね。お茶席では「懐紙（かいし）」という紙を持つことがマナーになっています。そのままでも大丈夫なのですが、お菓子を食べるのに使った菓子楊枝は口の中に入って汚れていますよね。なので、返す方に汚い部分を見せないようにするお客様の心遣いで、菓子楊枝の先を懐紙で隠します。この折り方は追々やっていこうと思っていますので、この折った穴のところに入れておいてください。そして、またお客様の心遣いとして、自分に向いているお菓子器の正面を下げに来た人へ向けて返してください」

森咲樹「はい。お客様の心遣いって、素敵ですね」

小堀優子「そうですね。ではお茶をお持ちしますので少々　お待ちください」

＊おまけ：かわいい茶道テディベア

‘14年に、世界最古のぬいぐるみメーカー・シュタイフ社（ドイツ）と遠州流茶道がコラボレーションし、生まれたのが「茶道テディベア」。ピンクの振り袖に身を包んだ愛らしいテディベアは、優子さんの父である遠州流の家元にアドバイス・監修をもらい一年かけて製作。台座の上に立ち、茶道の象徴である湯のみ茶碗を両手に添え、かわいいながらも、しっかりと格式が。また、身につけている振り袖には遠州流の家紋が入っており、遠州流の細部までこだわりが施されている。