NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』の第2週は、ヒロイン・坂東すみれ(芳根京子)と姉のゆり(蓮佛美沙子)、それぞれの結婚が描かれる。すみれの父・五十八(生瀬勝久)は坂東家を継がせるため、ゆりに華族の男性を婿にとるよう提案する。ゆりはその提案を受け入れず、幼なじみの潔(高良健吾)に相談する。「こんな時代だからこそ自分のやりたいことをやるべきだと思う」と主張するゆり。潔に賛同され、喜ぶ。しかし、潔から召集令状が来たことを告げられる。一方、すみれは、潔にこれからどうしたいのかと尋ねられ、何も答えられない。潔は、ゆりのような考えを持つ女性のほうがめずらしいと言い、「あんなおもろいお嬢さん、ほかにはおらへんわ」と楽しそうに笑うのだった。そんな潔に自分の思いを告げられないすみれ。

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後日、改めてゆりを説得してようとする五十八に、「私は、自分の愛する人と結婚したいと思います」と告白するゆり。驚く五十八に、相手は潔だと答える。思いもよらぬ告白に、事情がわからずきょとんとする潔。激怒する五十八の勢いに押され、父・正蔵(名倉潤)とともに土下座する。しかし、それはゆりの一方的な思いだとわかり、怒りがおさまった五十八だったが、正蔵と潔を追い返し、ゆりに外出禁止を命じる。すみれは、外出できないゆりに代わり、麻田(市村正親)の店に出向き、ゆりの手紙を潔に手渡す。手紙を読んだ潔は、「わしはゆりさんに惚れた。せやけど、ゆりお嬢さんとはないな」と言い、「結婚は諦めてほしいと伝えてくれ」とすみれに伝言を託すのだった。

「なんでやろ?」。そうつぶやくすみれに、麻田は、潔は野上家の養子だと明かす、跡取りとして大事に育ててくれた正蔵夫妻のことを思ったら、潔は婿として坂東家に入ることはできないと説明した。同じころ、ゆりも五十八から潔を婿にできない理由を聞かされていた。互いに思いを寄せつつも、結婚を諦めるゆりと潔。ところが、正蔵は、潔の気持ちを汲み、婿に出すことを五十八に伝える。そして、正蔵の思いを知った五十八は、「ゆり、お前が嫁に行け!」と命じると、潔に向かって「必ず生きてゆりのところに帰って来い。娘をよろしく頼む」と深々と頭を下げるのだった。潔の出征前に近しい人たちだけで2人のお披露目をすることになり、慌ただしく祝言の準備が進められる。

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祝言の日、坂東家には、近江の本家からすみれの祖母のトク子(中村玉緒)と伯父の長太郎(本田博太郎)、貴族院議員の田中五郎夫妻と息子の紀夫(永山絢斗)たちが祝いに駆けつけた。すみれは、涙ながらにゆりと潔に祝福の言葉を贈る。潔に自分の思いを告げられないまま失恋したすみれ。坂東家のプレイルームで紀夫と出くわす。すると、「失恋ですか?」と紀夫。すみれは、自分の気持ちが見抜かれたことに驚く。さらに、紀夫は「僕にはわかります」と言うと、逃げるようにその場を立ち去るのだった。「意味がわからん」と困惑するすみれ。

その晩、トク子から、五十八の昔の話を聞く。五十八がすみれの母・はな(菅野美穂)と苦労をしながら財を築いたことを知り、五十八の「家」への思いに共感するすみれ。

ゆりの結婚式から半年ほどが過ぎ、すみれたちも卒業間近。親友の良子(百田夏菜子)に、15歳も年上の男性との縁談がきたと聞き、驚くすみれ。ところが、そんなすみれにも縁談話が持ち込まれる。相手は、昔から坂東家の婿にと話のあった三人兄弟の三男。すみれは、両親の築いた「坂東営業部」の存続のために、相手も確認しないまま「結婚する」と決める。が、その相手の写真を見て、思わず固まってしまうすみれ。五十八から告げられた結婚相手は、幼なじみの紀夫だったのだ。つかみどころのない性格の紀夫との結婚に不安を抱くすみれ。

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昭和18年の春。すみれは女学校を卒業し、紀夫との結納を交わす。ぎこちない様子の紀夫に不安を募らせるすみれ。ある日、すみれの結婚式用の靴を作るため、坂東家に訪れた麻田。「お幸せになってくださいね」。すみれの足の採寸をしながら、そう祝いの言葉を述べる。しかし、すみれは浮かない顔で、紀夫が何を考えているのかよくわからないと打ち明けるのだった。「思いを伝えるのが下手な人もいる」と励ます麻田。

そして、いよいよ結婚式。亡き母・はなの形見のウエディングドレスを身にまとったすみれを見て、あまりの美しさに固まる紀夫。「よろしくお願いします」とすみれが声を掛けると、「堪忍してください。あのときは、つい言い過ぎました」と、ゆりと潔のお披露目の日のことを詫びる。そして、すみれを見て、「き・き・綺麗です」と恥ずかしそうに微笑む。

結婚式から数ヵ月が経ち、紀夫に子供ができたことを告げるすみれ。突然テラスに飛び出し、大声で叫ぶ紀夫に驚く。「うれしいのです!」。感情を爆発させて喜ぶ紀夫の姿に改めて紀夫への愛情を確信するのだった。しかし、そんな幸せな時間の中、紀夫の元に召集令状が届く。すみれは、戦地に向かうことになった夫の紀夫に、お腹の子供のことを託される。「もし、女の子やったら、 “さくら”という名前にしてください」と紀夫。学生時代、帰省したとき、すみれを見かけたという紀夫は、「子供のころから君を思っていたけれど、大人になって、桜の花びらが舞うなかを歩く君に、僕は……僕は、心を奪われた」と告げるのだった。

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昭和19年6月、無事に女の子を出産したすみれは、紀夫との約束通り「さくら」と名付けるのだった。戦況が厳しくなり、さくらの栄養不足に悩まされていたすみれは、ある日近所に住む外国人の友人に出会い、ミルクを分けてもらう。その時、庭で開かれていた育児の講習会で看護師の明美(谷村美月)と再会。すみれは、明美が、かつて坂東家の女中をしていたマツの娘と気付かず、ただ、門の外から明美が西洋式のおしめの使い方を説明する様子を見ていた。

やがて、戦況が厳しくなり、すみれとゆりは、近江にある坂東本家に疎開することに。祖母のトク子とおじの長太郎たちに迎えられるが、長太郎たちの態度は冷たく、つらい時間を過ごすことになるすみれとゆり。そんな時、神戸にいた父の五十八から神戸で大きな空襲があったと聞く。

それから2ヶ月後の昭和20年8月。日本は終戦の日を迎える。神戸に戻ったすみれが目にしたのは、焼け野原になった街と、焼け崩れた屋敷の姿だった。呆然と立ち尽くすすみれだったが、瓦礫のなかから半分焼けたはなのウエディングドレスを見つける。そして、焼け跡に坂東家の看板を立てると、娘のさくらのため、母として前を向くのだった。

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第3週の『べっぴんさん』は、戦後の混乱時に自立の道を選ぶすみれの姿が描かれる。米軍による本土への空襲によって神戸の家を失ったすみれは、疎開先の近江で姉のゆりとつらい生活を送っていた。義兄の潔が戦地から帰ってきたことをきっかけに、神戸に帰って夫の紀夫を待つことにしたすみれだったが、戦後の混乱期で預金をおろすことも制限される中で、生活に困窮していく。持っているものを売ってしのごうとするすみれだったが、潔にこれからは自分で仕事をして自分の力で生き抜かねばならないと諭される。新しい道を模索したすみれは、幼い頃からなじみの靴屋・麻田の店の一角で、手作りの手芸品の販売を開始するが……。

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