中東からやってきた「コーヒー占い」。
粉を溶かしたトルココーヒーの残った粉から未来を読み取る、
そのパワーとは…!
恵比寿にあるコーヒー占い専門店に潜入した。
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!
人間、生きていたら悩みが尽きないもの。
悩みから解放され悟りの境地に達した人や
生来ポジティブで「悩みってなに?」というお気楽な人もいるだろうが、
多くの人がいくつになっても悩みという大きな壁にぶち当たっているはず。
そんな時、「占い」に頼る人は少なくない。
ニュース番組で用意されたささやかな運勢占いから、
雑誌の一週間・一か月の星占いから、
1年を占うおみくじから、
都会の街中で深夜になると道中お店を開く手相占いなど
わたしたちの日常にまで溶け込んだ「占い」は
わたしたちを悩みから解放する、あるいは力を貸してくれるためにある。
この世に数ある占いの中でも今回わたしは
中東からやってきた「コーヒー占い」を行うために、
東京・恵比寿の『アラシのコーヒー占い』へとやってきた。
笑顔で出迎えてくれたのはマスターのアラシさん。
イラン出身だが、25年前から日本に住んでいるだけあってなんとも流暢な日本語。
普段はペルシャ絨毯の販売なども行っているそうで、
店の中はなんとも美しい絨毯の数々が…!
座席のクッションも座るのがもったいなくなるくらいかわいい。
コーヒー占いは中東では伝統的に行われる占いで、
その起源はオスマン帝国時代にまで遡るそう。
使用するコーヒーは粉をそのまま溶いて作る「トルココーヒー」。
ジャズベと言われる真鍮か銅で出来た小さなお鍋で火にかけて煮出していくと、どんどん細かい泡が出来ていく。
ぶわっと上まで泡がせりあがってきたら完成。
この独特な「トルココーヒー」だからこそ、コーヒー占いができる。
もちろんカップもかわいい。
コーヒーをゆっくり飲むと冷める間に粉が沈殿し、
最後には粉が残る。
それをひっくり返し、模様になったものを占うのが「コーヒー占い」なのだ。
悩み事を浮かべながらちょっとした「儀式」をこなし、
コーヒーを飲み干していく。
コーヒーと言ってもコーヒーらしい味ではなく、「ほうじ茶に近い」とも称されるほど苦くなくて飲みやすい。
これまであまり占いをしたことがなく、
自分のことを他人に話すのも苦手で「悩みごとを教えて」と言われても
「悩みなんてあったっけな」と考え始めてしまう、占いニガテ体質。
だけどアランさんの穏やかな口調に優しい笑顔に釣られて
占い前からついついいろんなお話をしてしまった。
「こんなの絶対記事に書けないな」と思いながらも、
「せっかく来たんだから、好きなこと話して」というアランさんに甘えて思いついた悩みをぽんぽん喋っていってしまう。
仕事のこと、恋愛のこと、お金のこと、将来のこと…。
散らかった悩みと(占いをする人の)エネルギーから出来た模様を結び合わせながら
アランさんがひとつひとつ、絡んだ糸をほどいていってくれる…そんな感覚の、占いの時間。
「これは占いだから、自分の人生は自分で決めるんだよ。」
そう言いながらも、アランさんがやさしく語りかけてくれる言葉の
なんと胸に突き刺さることか…。
「外国人や海外にも縁があるって出てるね。そういうほうに力を入れてみたら?英語の勉強もしたほうがいいよ」
心の隅に置いてた選択肢を、アラシさんがやさしく引っ張り出して、それを選んでいいんだよって背中を押してくれる…。
なんだかとっても自分に自信が持てる、こんな占いもあるんだな…!!!
「大事なのは自分の人生を楽しく過ごすこと。新しいことを始めるのにいい年だよ」
世界的にポピュラーなのに、日本では全然知られていないコーヒー占い。
その知名度を上げるために、アランさんは日本で唯一のコーヒー占い専門店をやっていると言う。
6年目になるお店には、常連さんも多い。
“広尾の父”と呼ばれるその実力は、
何でも話したくなる安心感の中にあった…!
『アラシのコーヒー占い』
http://coffee-uranai.com/
東京都渋谷区広尾1-10-10 NKビル1F
コーヒー占い(予約制) 12:00~[年中無休]
コーヒー占い&シーシャバー 月~土21:00~2:00[定休日:日曜・祝日]
コーヒー占い:スタンダードコース(ご来店から約30分)5,000円+税(トルココーヒー込)、チャージ1,000円+税