最近、女子のあいだで「ハーバリウム」が話題だ。
日本語で言えば「植物標本」。花材をボトルの中に詰め込んでミネラルオイルで満たす。
インテリアにプレゼントにと大人気のハーバリウムを作るため、ワークショップに参加した。
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!
わたしはハーバリウムを作成すべく、大阪の恵美須町にある「RAiNBOW SOUL」に訪れた。
キャンドルつくりがメインながら、最近ではハーバリウムのワークショップも行っている。
「ハーバリウムってめちゃくちゃかわいいけど一体何に使うんだろう?」と感じていた疑問も、店内に入ったら吹き飛んだ。
理由とかいらないかわいいは正義。
色とりどりの石鹸やキャンドル、花、そしてハーバリウム。女子のときめきが詰まってる。
平日のお昼という時間ながら、大きくない教室は参加者でいっぱい。
花材がたくさん並べられた大きなテーブルを12名(キャンドルつくり参加者含む)で囲んで、ワークショップは始まった。
「街でも見かけるけど高いでしょ?1個4,000円くらいする店もある。でもハーバリウムなんて、ぴょっぴょって作れるんですよ」
影山先生の軽快なトークが降り注ぐ。
「ウチなら3,500円で2本作れます、安い!でもね、ハイグレードのオイルなんです。いいオイルはとろみがあって花が浮きにくいし、安全性も高い。なんで安いのにいいもの仕入れられるかと言えば、一斗缶でまとめて仕入れてるから」
キャンドルにも使うから花材も強気に仕入れられる、とテーブルの上にはカスミ草やアジサイ、デイジーやカットしたオレンジなど50種類を超える鮮やかなかわいらしい花々が並び、中にはこんなところでは通常お目にかからない稲まであった。
まるで図鑑のような多様さ。こんなにたくさんの花材を用意している教室は珍しい。
「私は先生としてここにいるけど、押し付けてこれがきれい!と言うつもりはないから、みんな自由にやればいい。ハーバリウムの魅力はボトルのカーブとオイルのパワー。大丈夫、オイルさえ入れたらかわいなるから!ここにある花材、好きなもの入れてもらっていいです」
オイルが花をより色濃く大きく見せる力があるからかわいく見えるそう。
「自由にやる」という大人には難しい課題をもらって、わたしはテーブルのあたりをさまようことになった。
「これだけ花材があるんだから、とにかくかわいいと思った花を集めよう」
そう思い、手あたり次第に集めて、手あたり次第に詰め込む。
わたしが優柔不断を炸裂させているうちに、早い人はあっという間に完成させてしまった。
プロかな……?
まとまりのある色彩、空間の開け方。なんて美しいんだ……。
植物の癒しのパワーがボトルに詰まってるね。
人の才能に嫉妬しながらも、自分は自分の道を信じて進む。
時折枝を切ったりサイズを調節したりする以外、本当に詰め込むだけでとっておきのハーバリウムが完成してしまった。
わたしのダイナミックなハーバリウムもいいよ。美しいよ。自画自賛が止まらない。
次の小さいボトルは、「元気が出そうなヤツ」というテーマにした。
黄色い花をいっぱい集めて。インテリアとして家に置いたとき、力とお金をもらえそうなものにしたい。
テーマさえ決まれば、あとは花を集めて切って入れるだけ。
ミネラルオイルを注いでもらって蓋を閉じると、世界で一番自分好みのハーバリウムが完成だ。
写真映えさせたい欲求も叶えてくれる。
わ~~~。SNS映え~~~!
「女性にプレゼントしたい」と訪れる男性も多いそう。
恋人からプレゼントされた自作のハーバリウムをにやにやしながら部屋に飾るのも楽しそうだ。
今回の参加していた女性のほとんどは、「インテリアにしたくて」と語っていた。
部屋にハーバリウムを飾ると、それだけでグッと部屋が明るくなったような気がする。
たったひとつ置くだけで部屋を変えるような強い力が、「ハーバリウム」のちいさなボトルの中に詰まっていた。
『RAiNBOW SOUL』
http://rainbowsoul.jp/
大阪市浪速区恵美須東1-16-16 アトリエ1616内
ハーバリウムワークショップ:3,500円(大・小のボトル代込)
※日時はWEBを参照