「スケートボード」といえばストリートを駆け回る若い男子の遊び、そんなイメージがある。
しかし2020年東京からオリンピックの正式種目に採用され、今ではスポーツとしての認識が広まってきているらしい。
スケートボードの魅力を探るため、わたしはスクールへ向かった。
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!
大阪・狭山市にある「PSJスケートボードアカデミー」。
子どもから大人まで数百人が通う大規模なスケートボードスクールだ。
レディースクラスも用意され、大人の女性たちもがスケートボードライフをエンジョイしている。
屋外にも屋内にもパークがあるため、天候を気にせずに楽しめるのも特徴だ。
店内に入るとショップが併設されていて、壁一面にスケートボードが並ぶ。
好きなサイズやブランド、デザインからデッキ(板部分)、ウィール(タイヤ部分)、小さな金属部など様々なパーツをひとつひとつ自分でチョイスできるため、カスタマイズ魂が燃えることは容易に想像ができた。
スケートボードをやっていないわたしでさえ思わず自分のボードが欲しくなる魔力がある。
ここに通う生徒たちは、間口を広げるために行われている無料体験に参加したことがきっかけのケースが多い。
そこで楽しさを知って興味を持ち、スケーターデビューを果たす。
わたしもその楽しさを知るべく、スケートボードに初挑戦した。
初心者でも危なくないように膝と肘と手にプロテクターをつけ、頭にはヘルメットを装着。
万全の態勢。これからどう転がっても大丈夫という心強さがある。
天気がよかったので屋外のパークで、プロスケーターの山崎さんによる講習が始まった。
まずはボードに片足を乗せて体重を預けてみるところから。
重要なのはボードを信用して重心を預けられること。そう、ボードは相棒……!
足を離すことになれたら、徐々に離す時間を増やしていき、後ろの足もボードに乗せてみた。
すると、自然と前に進み始めるではないか……!
必死に両腕でバランスを取るも、ボードはわたしの意思に反して右へ右へと進んでいく。
重心の移動によって行き先が決まるため、わたしの微かな偏りをも感じ取ってしまうのだ。
いかにボードにとってバランスが大事かを学びながら、段階を踏んでひとつずつクリアしていく。
柵につかまってボードを傾斜させる練習。
派手にすっ転びフル装備のサポーターに感謝したりしながら、気付けば右に寄りながらも立派に滑れるようになっていた。
ついには憧れの傾斜デビューも果たすが、カメラ目線すぎて怒られる。安全が第一。
しかし予想外に滑れて楽しい。そびえる小さな目標をひとつひとつクリアできる達成感がある。
「無料体験でここまで滑れる人はあんまりいないですよ」と褒められ喜びもひとしおだったが、へっぽこな腰つきは隠しきれない。
ストリートで見るスケーターはみんなスイスイ~っと簡単そうに走るが、そこまでなるためには裏にたくさんの練習があるのだ。
山崎さんに滑りを見せてほしいと頼むと快くオッケーをしてくれた。
軽く滑ると、パークに点在するセクションへと挑んでいく。
何もないところで飛び上がり、ボードを一回転させる技も。
か、カッコいい~~~!!!!
極めた人による風を切る滑り、事もなさげに繰り広げられる技の数々。
地元の小学生たちがこのスクールに集うのも分かる。カッコいいもん……。
バランススポーツであるため、前後左右均等に体を鍛えられるというメリットもある。
安全に楽しめるスクールで学ぶスケートボードは、カッコよさと健やかさどちらも兼ね揃えていた。
「PSJスケートボードアカデミー」
大阪狭山本校
住所:大阪府大阪狭山市東くみの木4-2108-1
TEL:072-367-8154
営業時間:12:00~20:00