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「朝食の定番メニューに『納豆と生卵』、お酒のおつまみに『ほうれん草とベーコンソテー』という方も多いのでは? でもこの組み合わせ、食材に含まれる栄養素を台無しにしてしまう、『NG』な食べ合わせなんです」

 

長年慣れ親しんできた人も多いメニューを真っ向から否定するような話をするのは、管理栄養士の麻生れいみさん。食材の組み合わせによっては、栄養素を捨ててしまう場合もあるという。

 

「納豆には、“美肌のビタミン”ともいわれる、女性にうれしい『ビタミンB群』の栄養成分『ビオチン』が含まれています。しかし、生卵と一緒に食べると、卵白に含まれるタンパク質『アビジン』と結合し、吸収されないまま体外に排出されてしまうんです」(麻生さん・以下同)

 

また、「ほうれん草とベーコンソテー」の場合は……。

 

「じつは、ベーコンに添加物として含まれている『リン酸塩』が、ほうれん草の『鉄分』と『カルシウム』を吸収する際、妨げに。さらにいうと、ベーコンの発色剤に使われている『亜硝酸ナトリウム』が、ほうれん草の『硝酸』と組み合わさると、体内で『亜硝酸』に変化。『ニトロソアミン』という発がん物質を作り出してしまいます」

 

反対に、栄養素の消化・吸収を助ける“理にかなっている”組み合わせもある。そんな栄養素を生かす食べ合わせを麻生さんが教えてくれた。

 

【から揚げ×レモン】

 

「軟骨や鶏皮に多く含まれる『コラーゲン』は美肌作りに欠かせません。コラーゲンは体内でいったん分解され、再合成されますが、レモンが含む『ビタミンC』がこの再合成を手助けします」

 

【枝豆×ビール】

 

「枝豆には必須アミノ酸『メチオニン』が含まれています。このメチオニンは肝機能を高め、アルコールを分解してくれるので、二日酔いの予防に効果的です。また、お酒を飲むと糖質の代謝を助ける『ビタミンB1』などが消費されやすいのですが、枝豆はその補給までしてくれる、最適なおつまみと言えるでしょう」

 

【ポークカレー×らっきょう】

 

「らっきょうの『硫化アリル』が豚肉の『ビタミンB1』の吸収率を上げます。ビタミンB1には、疲労回復効果もあります」

 

【生ハム×メロン】

 

「『ビタミンB1』を多く含む生ハムは、塩分がやや高め。メロンに含まれる『カリウム』には、塩分を体外に排出する役割があります」

 

【豚肉×パイナップル】

 

「酢豚に入っているパイナップルも、じつは理にかなった組み合わせ。パイナップルの『ブロメライン』というタンパク質分解酵素には、肉の消化と吸収を助ける働きが。ただ、この酵素は熱に弱いので、調理するときは最後に入れて加熱しすぎないようにしましょう」

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