「身長180センチにスラッとした体型。顔もそこそこで話し方は紳士的。デートの際は高級スーツを着こなすなど、セレブ男性を演じきっていました。ただ騙された女性の多くが逮捕後に驚いたのは、この男性が薄毛で、5種類ものカツラを使い分けていたことでした」(社会部記者)

 

お見合いパーティで出会った女性に結婚話を持ちかけ金銭を騙し取ったとして、兵庫県警は3月13日に杉原章五被告(47)を詐欺の容疑で追送検した(別の詐欺罪で公判中)。08年3月から一昨年までの3年間、被告は「京大病院の医師」などと名乗り140回以上もパーティに出席。そこで5人の20代女性から合計1千330万円を搾取していたという。

 

「その際、彼は薄くなった頭頂部を隠すためにカツラを使い、年齢を30代半ばと偽っていました。医師の場合は七三分けなど、名乗った職業に応じて5種類のカツラを使い分けていたそうですが、どれも黒髪で長さが若干違う程度。微妙な違いにこだわりを持っていたみたいです。実際は、おでこから頭頂部がはげた、サザエさんの波平ヘアだったそうです」(前出・社会部記者)

 

そんな変装で女性に近づいた杉原被告。「年収は8千万円。兵庫県の高級住宅街・芦屋に億ションを持っている」と並べたかと思えば、「お金を盗まれて当面の生活費がない」など言葉巧みにお金をだまし取っていたという。だが、実際は無職でアパート暮らし。セレブとは程遠い人物だった。

 

だが、彼の罪はこれだけではなかった。実はこれまで2度も同じ結婚詐欺の容疑で逮捕され服役していたのだ。これまで彼が騙してきた女性は少なくとも35人。総額3千万円以上も詐取していたという。

 

「1度目の逮捕は98年。33歳のときで、10人の女性から1千万円を騙し取っていました。当時は、まだカツラを使用していなかったそうで、服役時のストレスではげたようです。01年に出所すると、すぐ結婚詐欺を再開。このときにはすでにカツラを着用していました。2度目の逮捕は出所から7カ月後で、20人以上を騙していた。500万円以上騙し取られた人もいたそうです」(別の社会部記者)

 

詐欺に気づいた女性もいたが、バレると暴力団の名前を出して逆に恐喝していたという。そして06年に出所した彼だが、やはり更生はしなかった。最初の逮捕から15年。外にいる間、彼はほとんど結婚詐欺だけを行い生活していたのだ。

関連カテゴリー:
関連タグ: