野田首相の演説で「マンセー」と叫ぶ”在日応援団”の正体
「民主党がんばれー!」「万歳(マンセー)!万歳(マンセー)!」「在日に参政権を!」
11月29日午後5時30分過ぎ、JR川崎駅西口前でおこなわれた野田佳彦首相(55)の街頭演説に、奇妙な一団が現れた。わずか5人ほどだが、持っているのはなんと韓国国旗。しかも野田首相の演説を遮るように先の言葉を叫んでいた。
見かねた民主党関係者が近寄り、「演説が聞こえなくなるので、声を上げるのはやめてください」と制する。すると、彼らは「在日を人種差別すんのかー」と騒ぎだすありさまだ。「本当に在日の人ですか」と本誌記者が聞くと「そうだよ」悪びれる様子もない。
自称”在日韓国人”の集団は別の民主党幹部の遊説場所にも現れている。枝野幸男経産相が池袋駅西口で街頭演説をしたときも、複数の男性が「民主党は韓国の味方だ!民主党がんばれー」などと叫び、演説を妨害、枝野氏の声がかき消されるほどだった。まさに”ほめ殺し”。こうした集団は、細野豪志政調会長や菅直人前首相の演説会場にも現われ、ネットで中継までしている。
民主党に対してそこまで嫌がらせを繰り返しているのは何者なのか。「実はネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれるネット上で右翼的な行動を呼びかけるグループだ」と話すのは、ネトウヨに詳しいジャーナリストの安田浩一氏だ。安田氏は次のように続ける。
「彼らはネットで右翼的な発言を繰り返し、外国人の地方参政権などに反対することを政治的なテーマにしている。民主党は韓国寄りの政策を取っていると信じる彼らは、ほめ殺しをすることで、民主党が外国人に支配されていると印象づけたがっているんです」
集団の中には『民団』と書かれたプラカードを首から下げている者もいる。『民団』とは在日韓国人の権利を守る活動をし、パスポート業務などを請け負う『在日本大韓民国民団』のこと。彼らは『民団』を名乗り、あたかも在日韓国人の団体が民主党を応援しているように見せかけているのだ。
「もともとネトウヨは若い人中心で、外国人に雇用や領土まで奪われていると、日ごろの不満をぶつけているだけ。ある意味、今の日本の気分を表現しているともいえるでしょう」(安田氏)
少しでも韓国を持ち上げる報道があると、「捏造だ」「ステマ(ステルスマーケティング)だ」というのがネトウヨの常套句。みずから”応援”を捏造する矛盾に彼らは気づかないのか。
(週刊FLASH12月18日号)