「不倫はダメ!きっと不幸になる」と、普通、周囲の人間は言う。しかし、本誌は「後悔してない、今が幸せですから」と胸を張る女性の話を聞いた。以下は、岡部和子さん(71・専業主婦)の告白である。
住み慣れた一軒家を処分し一昨年、高齢者向け住宅に移り住んだのは夫の提案でした。一人娘は海外勤務の夫について遠く離れてしまったので老後が心配だと。持ち物を10分の1に処分し、新しいすみかはなかなか慣れないところでしたが、さすがに高額の入居一時金と月々の住居費等を払っているだけあり、温泉やサークル、食事なども充実したもの。
体を動かすことが好きな私は太極拳とヨガのサークルに入会しました。夫はインドア派で将棋や英会話、歴史が趣味。いつも四六時中一緒にいるので、これは別々でよかったと思っていたのですが、よいのはそれだけではなかった。
太極拳、ヨガともに顔を合わせる男性と親密になったのです。彼は奥さんに先立たれ1人で入居していて、私の主人のことなどお構いなし。「今度外で会おう」というメールをすぐに送ってくるほど、積極的でした。私は携帯の扱いが苦手で返信すらおぼつかないのですが、彼がさっさと日時を指定して来てしまったの。
1度会ってしまうと、私は姉や友達に会いにいくと口実をつけては外出し、彼の持っている別宅で会うようになりました。彼は自営業でかなり会社を大きくした人。70歳まで第一線で活躍し、息子さんに代を譲って悠々自適の生活をしているということでした。そして私を口説き始めます。「あなたも子育てをして社会に責任を果たしたのだから、自分の欲望に忠実でいいじゃないか」。そういう考え方もあるのか、と納得しました。
彼は体を鍛えて長生きしたいとも言い、一緒にいると生命力を分けてもらえるくらい。寿命なんてそう長くなくてもいいと思っていたけれど、彼に言わせるとまだまだ楽しいことがいくらでもある、と。そして「セックスはまず女性に悦びを感じてもらうことが重要」と言い、「射精しないから3時間でも抱ける」と。自分はさておき、私の悦ぶ顔を見るのがいいのだと。こんなに癒やされる行為があるとは、はじめて知りました。まさかこの年で、と奇跡を実感しています。
のんきな主人は、まったく私の“裏切り”には気が付いていません。亭主関白で、私が更年期でどんなに体の具合が悪くても「飯はまだか!」「家が散らかっている」と怒鳴りつけたこともあるし、ねぎらいの優しい言葉の一つもなかった……。
今は夫の悪行を数えては自分を正当化する毎日。そしてこの秘密の関係を、長生きして続けていきたいと私は思っています。