36歳にして、年商5億円!新宿・歌舞伎町でキャバクラ3店を経営する内野彩華さんは、かつて外資系企業の営業職でトップセールスを誇ったやり手OL。にもかかわらず、1年半でホステスに転職した後、わずか25歳でキャバクラのオーナーに転身した。
「父親は教師でしたが、バブルに乗って学習塾や不動産会社など多くの事業を起こし、一時は大成功したんです。ところが、私が中学2年生のときにバブルが崩壊して、会社も倒産。自宅も手放し、お金がなくなった途端に両親は争いが増え、結局離婚してしまったんです。そのとき『お金がないとダメなんだ!』と、刷り込まれました」
就職後、トップセールスの成績ながらホステスに転職したのも、おカネのため。
「新卒で年収500万円と決して悪くなかったんですが、実は学生時代から銀座で働いて、月に200万円は稼いでいたので、正直少ないなと(笑)」
銀座時代の常連の名刺はすべて捨てていたため、新宿で1からやり直し。しかし、とんとん拍子に指名がつき、思い切って起業を決めた。
「学生時代に銀座でナンバーワンだった経験が生きました。何かひとつ、稼げる技術があることは大事だと思います。どんな技術も身につけるまでには数年かかりますが、その後は一生もの。私の場合は、ホステスの技術がそれだったんです。たとえば、このタイミングでこういう受け答えをするとボトルを入れてもらえる、といった接客のコツがある。25歳で起業できたのは、その技術があったからでしょう」
それから10年。今では3店舗まで拡大した。その秘訣を彩香さんは「自分のおカネで起業したから」という。
「なけなしの400万円をはたいて開店したので、最初は本当に綱渡り。その分、経営にもシビアでした。その後いろんな男性に創業資金やつなぎ資金を貸しましたが、誰もうまくいきませんでした。人のおカネだと、ムダ遣いをしてしまうんでしょうね」
おカネは成功の証しであるとともに、愛情や誠意の証し。だから、他人に頼らず自分で稼ぐ!――彩香さんにとってのおカネは父親の失敗から学んだ、人生のあり方そのものだった。