12月10日、ついに特定秘密保護法施行。憤る作家・あさのあつこさん(60)が、緊急インタビューで語ってくれた。
「やっぱり『本当にやっちゃうんだなあ』っていうのが、いまの正直な思いです。自分のなかで甘えがあったというのか、どこかでストップがかかって施行されないものだと思っていました。秘密保護法と集団的自衛権は切り離せないものですよね。それに異を唱えてはいけない国になる……。国民の自由が奪われるとはどういうことか。政府自民党は、今回の衆院選挙に先立ち、在京テレビ局に『公正中立、公正な報道姿勢』を要望しましたが、これは報道規制です。施行前からすでに露骨になっていて、しかも政府の強権ではなくマスコミに自主規制させる。新聞や出版社など大手のメディアから骨抜きにされていくんです」
報道規制は始まっているとみるあさのさん。では、特定秘密保護法を施行する真の目的をどう考えるのだろう。
「国家の秘密って、私たちの知らないところでたくさんありますよね。すべてがオープンにならないということは、仕方がない部分もあると国民は理解している。では、なんのために施行するのかというと、国家にたてつく国民をしばるためだと思います。原発、沖縄基地問題、消費税増税……国民のことを考えてバランスよく進めていくのが政治だと思います。でも、安部総理はそのバランスすら取らずに強引に、好きなように国政を進めている。秘密保護法は、安部総理という浮世離れしたお坊ちゃんにとって、“すごい威力のおもちゃ”みたいなものだと思うんです」
あさのさんは最近になって、ご近所の女性の友だちと、ある行動に出たのだという。
「近所の仲間たちと集まって、『安倍さんの暴走を許してはいけない。とりあえずは目の前の衆議院選挙について話し合おう!』と作戦会議をしたんです。法律が施行されたからといって、遅すぎることはない。『おばちゃんでも声をあげよう!』って。仲間は『子や孫を戦地に送りたくない』と言っています。女性は、直感的に危機を察知する能力が備わっていると思います。政府がうたう“アベノミクス好景気”も実感を伴わず、男性たちが身動きしにくい時代です。そういうときこそ、根っこで女性たちが動かしていく。それが本当の“女性の時代”だと思います」