第一子を出産した森三中の大島美幸(35)、第二子妊娠を発表した東尾理子(39)などなど、女性芸能人の妊活や高齢出産が話題になっている。
その際、彼女たちの年齢や体験記ばかりがクローズアップされているが、私は自身が妊活中ゆえにどうしてもパートナーに注目してしまう。というのも鈴木おさむが43歳で石田純一も61歳、さらには眞鍋かをり(35)の妊娠を発表した元イエモンの吉井和哉は48歳など、女性だけでなく男性も「妊活の高齢化」が進んでいるのだ。
それは、一般社会でも同じだ。厚生労働省の人口動態統計2012年度版によると、男性が父親になる年齢は全国平均で32.3歳。1990年と比べると、2歳もUPしているという。
問題なのは「あの方法試しました」「次はこの方法に挑戦します」といった女性側だけの活動がフィーチャーされ、男性側の妊活があまり周知されていない点だ。そのため世間では「子供はいつでもできる」と考えている男性が意外にも多く、それがさらに妊活の高年齢化へ繋がっているとの指摘もある。
だが日本生殖医学会の報告例を見てみると、50代の男性は30代の男性と比べて精液量が3~22%、精子運動率が3~37%、精子正常形態率が4~18%低下すると報告されている。
最近ではようやく男性も「35歳を境に精子能力が落ちる」と知られるようになってはきた。だが男性の場合は80歳でも子供ができるケースがあるなど、女性と比べて個体差が大きい。そのため「オレは大丈夫!」と過信が生まれやすいという。しかし大半が“超特級エリート精子”の持ち主であるはずもなく、気づいたときには精子能力が低下してしまっている。つまり「いつでもできる」という考えは、大いなる誤解なのである。
ちなみに精子能力の検査は日帰り可能で、料金も約1万円程度のこと。なかには、“行為”に自信があっても「運動率3割」「量が基準の半分」という衝撃的事実を突きつけられる男性もいるという。女性ばかりに不妊の原因が指摘されるが、妊活は男女の協力があって初めて成立するもの。将来の家族計画を考える上でも、一番大事な“行為の先”を気にかけてほしいものである。
(文・中西美穂)