日本全国の現役で活躍する“最高齢”女性たち。どうしたら、彼女たちのように毎日を元気に過ごすことができるのか?彼女たちの“長生きのヒント”を探った!
「なるがまま。あるがまま。逆らわない。眠ければ寝る」。健康のために気をつけていることを聞くと、現役の女性内科医では最高齢の梅木信子さん(95)はこう話し始めた。
彼女は現在独身で、神戸市垂水区で一人暮らし。東京女子医学専門学校(現在の東京女子医大)を卒業後、東京で医院を開業していたが、’10年に出身地である神戸市に戻ってきた。
「医療機関から依頼された地域の健康診断の業務がメインです。神戸市近郊が多いのですが、時には四国、山陰地方に足を延ばすこともあります。最近は、週に1〜2日のペースで働いています」
そんな梅木さんの一日は、朝食後のベランダの家庭菜園で育てている野菜などの世話から始まる。
「今作っているのは、ピーマン、なすび、サンチュ、クレソン、バジル、ミント……。水をあげたりなんかで、1時間以上はかかりますね。朝食のトーストには、家庭菜園で取れたバジルソースをつけて食べています。バジルと、松の実、アンチョビ、オリーブオイルをミキサーにかけて作っています」
長生きのために“肉を食べる”人も多いが、梅木さんはベジタリアンの生活を続けている。
「私は肉や魚はほとんど食べません。おかずは家庭菜園で作った野菜や、知り合いの淡路島の農家から旬の野菜を送ってもらい、料理を作っています。パンとご飯のほかは、野菜を食べている感じです」
食材だけでなく味噌や塩などの、調味料にも気を使っている。
「冷蔵庫には手作りのものなど、4〜5種類の味噌があります。塩はミネラル分が豊富な岩塩を使っています。醤油はあまり使わず、代わりにポン酢を使い塩分を控えるようにしています。自然食にこだわっているわけではありません。単に“昔の生活”を追い求めているんだと思います。そして同じ食べるならなるべく“本物”を食べようとしているだけだと思っています。それに、料理は頭を使うので認知症の予防にもなります。料理をする人としない人では、認知症になる確率が3.3倍も違うそうですから」
日々の生活の積み重ねが、長寿につながっているようだ。