「日本ではほとんど知られていませんが、トランプ氏はもともとヒラリー氏の強力な支援者で、家族ぐるみの付き合いをする仲でした」(在米ジャーナリスト・佐藤則男さん)
米国大統領選で共和党候補者としてトップを独走中のドナルド・トランプ氏(69)。民主党では、ヒラリー・クリントン氏(68)が優位を固めている。だがこの2人には、意外な“因縁”があった。家族ぐるみの付き合いの中から生まれたのが、2人の長女同士の“親友付き合い”だという。
トランプ氏の長女・イヴァンカ(34)は、父が率いるグループ企業の“頭脳”とも言われる才媛だ。かたや、ヒラリー氏の長女・チェルシー(36)も、クリントン財団の幹部を務めている。在米ジャーナリストの北丸雄二さんが話す。
「お互い“セレブ一家の娘”という共通点があり、年齢も2歳差の同世代で親近感があったのでしょう。2人とも頭が切れる女性ですしね。ニューヨーカーの間でも、2人は“本当の親友”として有名です」
学生時代、2歳上のチェルシーをイヴァンカは姉のように慕い、悩みを相談することもあったという。2人の結婚が’09年、’10年と続いた際は、2人は「お互いに約束していたの」と、同じデザイナーによるウェディングドレスに身を包んで結婚式を挙げた。トランプ氏の大統領選出馬で両家が敵味方にわかれた後も、チェルシーは雑誌の取材にこう語っている。
《私はトランプ氏とは関係を持ったことはなくて、付き合うのはいつもイヴァンカとだった。政治活動よりも友情のほうが大切だと思っているわ》
《イヴァンカは素晴らしい女性。私はイヴァンカが友達ということに感謝している》
だが、2人の友情に昨年末、最大の危機が訪れた。
「トランプ氏がヒラリー氏を初めてかなり激しい言葉づかいで“嘘つき”と攻撃したのです。このとき、両家の家族同士にも感情的に大きな溝ができてしまいました。しかし、このときも年明けにチェルシーがイヴァンカに電話して、互いにいい新年を迎えることを祈り、“私たちは永遠の親友”と言って、大統領選が2人の友情を壊さないようにと誓い合ったそうです」(国際部記者)
まるでロミオとジュリエット。激しく罵りあう親たちにも、娘たちの友情ドラマを見習ってほしいものだが――。