オフィスで、お店で、宿で……。「ねこがいるから行ってみたい!」と思わせるような「看板ねこ」を抱えるところが、全国で急増中。そんな中でも、ちょっと変わった看板ねこを紹介!
大分県の由布院温泉にある「オーベルゼ レ・ボー」は、ねこ好きの間で「一度は泊まってみたい」と言われている宿。湯布院の中心街から少し離れた高台にあり、部屋は5〜6人で泊まれる客室が2部屋だけ。1日2組限定のこぢんまりとした宿だが、6匹の「ねこの仲居さん」たちが活躍している。
部屋の扉を10センチほど開けておけば、ねこたちが部屋を訪れ、いっしょに遊んだり、夜には布団に入ってきて添い寝をしてくれたり。ねこの仲居さんたちによる「おもてニャし」が、たっぷりと受けられるのだ。中でもいちばんの看板ねこ、ヨリ男は、体重7キロもあるぽっちゃりキャラの甘えん坊。
「特技は、私たちやお客さんが『いぬのおまわりさん』や『森のくまさん』などを歌うと、音楽に合わせて尻尾をフリフリ、拍子をとること。一見の価値ありです(笑)」(オーナーの中島久美子さん)
そんな宿が4月16日未明、大きな地震に見舞われた。大分県で観測史上最大となる震度6弱を記録し、震源に近い湯布院の温泉街は大きな被害を受けた。
「室内はたいへんでしたが、幸いにも建物の被害はほとんどありませんでした。あの夜は宿泊されていた女性2人とすぐ外に出て、クルマで近くの道の駅まで避難し、車中泊をしました。ねこたちもびっくりして安全な場所に避難していたようです。翌日以降、みな無事に戻ってきました」(中島さん)
水道が使えず、4月末まで休業せざるをえなかったというが、現在は営業を再開。ねこを心配した人がエサを持ってきてくれたりもしたという。
「温かい言葉もいただき、本当に涙が出そうでした」と中島さんは振り返る。ねこに会うことが被災地支援にもつながるのです!