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「40代以上の主婦の方への求人数は、’12年以降大幅に増加しています」

 

そう語るのは、結婚・出産を経た女性の仕事を応援する人材サービス会社「ビースタイル」の調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長。主婦への求人数が増えた要因として、少子化が進んだことによる、慢性的な人手不足があるという。

 

「今の40代は年間約200万人が誕生した第2次ベビーブーム世代。以降20年間は年間約100万人と少子化に歯止めがかかりません。これと比例して15~64歳の労働人口も減り、人手不足が続いています」

 

今の40~50代女性の特徴も、企業の注目を集めている。

 

「20年前、伝票がまだ手書きだった時代に働いたことがある一方、パソコンやスマホもある程度、使いこなせる世代。事務スキルが高いんです。加えてアラフィフ世代は、小泉今日子さんを見てもわかるように、一般の女性も、見た目も感覚も若々しい。職場で即戦力になれる世代なのです」

 

結婚前や出産前に働いた経験があり、今は専業主婦をしている1,000万人の中に、人材という“宝”が眠っている、と川上さんは力説する。

 

「専業主婦である期間が長くなると、『自分には社会に出て働く力がない』なんて思い込みがちですが、とんでもない。主婦として家庭を切り盛りする日々の暮らしの中で、培い磨かれる“主婦力”というスキルは、働くうえでも強力な武器として生かせます。主婦は才能の塊なんです」

 

では、川上さんがいう“主婦力”とは、具体的にはどういったものなのだろう?

 

「たとえばママ友や義理の両親、親戚、ご近所との、世代を超え、ほどよく付かず離れずの交流で磨かれる“コミュニケーション力”は、まさに“主婦力”の代表です」

 

また日々こなす家事は、社会で働くうえでのさまざまな“力”を培う。

 

「毎朝、限られた時間の中でお弁当を用意し、突然の来客でも短時間で部屋を片付けるためには“段取り力”が必要。これは職場でも、終業時間までに仕事を終わらせるため、いかに効率よく仕事をするかを“段取る力”となります」

 

子どもの健康管理に気を配り、家族全体を見渡すのはマネージャーの仕事そのもの。そんな“マネジメント力”も主婦経験で養われる。もしPTAの役員として、子どもたちのために何かを提案した経験があれば、それは“プレゼンテーション力”となるだろう。

 

「毎月の家計で赤字を出さずやり繰りするのは、まさに“コスト改善力”ですし、育児や介護の経験は、そのまま仕事に生かせます」

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