インフレが招く恐怖の老後格差から身を守る4つの方法
新政権の”デフレ脱却”政策で、目標の物価上昇率2%ともいわれる、来るべきインフレ時代。そうなると「住宅ローンを抱えたり子どもの教育費がかかってくる40代と50代、そして働けない高齢者にとっては、生活破綻となるケースも」出てくると、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん(43)は語る。そこで、柏木さん、ファイナンシャルプランナーの花輪陽子さん(34)、経済評論家の平野和之さん(36)が、今からできるその防衛策を4つ伝授してくれた。
【年収の3割を貯蓄へ回す】「節約疲れのピークですが、少なくとも年収の1割、できれば3割は現金でストックしておきたい。物価上昇後から給料に反映されるまでに、年単位の期間を要することも予想されます」(柏木さん)
【タンス貯金はやめて、まずは金融機関で貯金】「インフレに強いのは、金融機関の普通貯金なんです。物価上昇率よりは低くなりますが、それに合わせて金利も上がりますから」(花輪さん)。絶対に避けたいのはタンス貯金。「インフレ下では、タンスの中ではお金の価値がもっとも目減りします。まずは金融機関へ、できれば投資を心がけましょう」(平野さん)
【住宅ローンを固定金利に】インフレになれば借金も増えて返済が厳しくなる。その最たるケースが変動金利の住宅ローン。「変動金利は半年ごとに見直しがあるので注意が必要です。バブル期には5.5%の金利が、いっきに8.5%まで上がったこともあるんです。10年、15年の長期固定金利でも1%台の低金利時代。今のうちに、なるべく長期間の固定に切り替える。半分を変動にするなどの工夫をすることが大事です」(花輪さん)
【公的年金をあてにせず、金融商品の検討を】物価に合わせて年金給付額もスライドするはずの年金。でも100%あてにはできない。そこで貯蓄や資産運用を考えるべきだと花輪さんはいう。「インフレ時は一般に株式も強くなります。そのためにもしっかりと現金を銀行口座にためておき、金利の推移を見ながら、将来的には一部を日本株や外国株の投資にまわす防衛策が必要です。初心者にはリスクを分散させるためにも、個別株ではなく幅広い銘柄を押さえられる投資信託などがおすすめです」