ライバル会社の株、どちらを選ぶのが得かーー。そんな悩みに、株主優待生活で注目を集める元プロ棋士・桐谷広人さん(64)が、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)、配当利回りの3つの指標と株主優待の内容をもとに、8業種のライバル企業を判定した。
【NTTドコモvs.ソフトバンク】
「株を買うなら、文句なしにドコモでしょう。株価の推移を見ると、今が大底の気がします。配当利回りも、4%近くありますから。ソフトバンクは、株主優待で携帯電話の基本使用料が無料になるとはいえ、額に見合うとは言いがたい」(桐谷さん・以下同)
【キリンホールディングスvs.アサヒグループホールディングス】
「私も株を持っているアサヒ、と言いたいところですが、データを見るとキリンでしょう。アサヒは株価が上がり切っている感があります。配当利回りを比べても、キリンはアサヒの2倍ですね」
【江崎グリコvs.森永製菓】
「2社のうち、株主優待があるのはグリコ。それを勘案しても、森永株をおすすめします。配当利回りも、森永はグリコの2倍あります。現在、株価は低調ですが、苦しい会社こそ、ヒット商品を出すべく奮闘しているもの。逆転のチャンスはありますよ」
【吉野家ホールディングスvs.ゼンショーホールディングス】
「株主優待は、吉野家が断然、お得なんです。300円単位というのが、使いやすいんです。牛丼にサラダとけんちん汁をつけて、おしんこを単品で……と工夫すれば、300円の券2枚でピッタリ食べられるんです」
【ビックカメラvs.ヤマダ電機】
「(’13年上半期42億円の赤字を発表した)ヤマダ電機は、今なら3万円以下で買えるので、非常に割安です。でも、株主優待がいまひとつですね。ビックカメラの優待は、年間で計3千円の買い物券です。さらに1年以上、株を保有し続けると、千円券が1枚、追加されます」
【日本航空(JAL)vs.ANAホールディングス】
「ズバリ、ANA。JALの株価は、経営再建後の再上場以来、うなぎ上り。購入代金は最低でも50万円以上です。それだけ出しても株主優待券は年に1枚。ANA株なら20万円強で買えて、年間、2枚の優待券がもらえます」
【日清食品ホールディングスvs.東洋水産】
「日清食品の株主優待は、チキンラーメン、UFOといった人気製品の詰め合わせ。『人気株主優待ランキング』といったアンケートでは、つねに上位にランクインしています。日清食品の今の株価(約40万円)は、長期的に見れば高値ではあります。それでも東洋水産と比べて買いやすいと思います」
【パナソニックvs.日立製作所vs.東芝】
「今後の業績回復を見込めば、今、推すのはパナソニック。かつては『松下に入社すれば一生安泰』といわれるほど、すごい会社だったんです。無配まで落ち込んだ分、回復力があるんじゃないかと。きっと昔の栄光を取り戻してくれると信じています。ただ、同じように頂点から転落したダイエーの株を今も持っているんですが、いまだに復活してくれません(笑)」