「年度が変わる4月1日を機に、消費税増税以外にもさまざまな制度変更がありました。まず、社会保険料が上がります。国民年金保険料は月210円負担が増えて1万5,250円に。40〜64歳が健康保険と合わせて支払う介護保険料は、全国平均で月307円引き上げられ5,273円になりました」
こう語るのは、経済ジャーナリスト・荻原博子さん。消費税以外にもこの4月で変わったことを教えてもらった。
「高齢者の負担増は厳しいものです。年金支給額は4月分(支給は6月)から0.7%引き下げ。国民年金は満額の方で、月475円減って6万4,400円に。年金が減るにもかかわらず、4月2日以降に70歳になった方から74歳までは、医療費の自己負担が2割になります。それまでに70歳になった方と75歳以上の後期高齢者は1割負担のままです」
いっぽう4月1日から、負担が減るなどよくなるものもある。住宅ローン控除は最大200万円から400万円に拡充された。また、年収510万円以下で住宅の取得をする人には、住まい給付金が最大30万円給付される。自動車取得税は普通自動車が5%から3%に、軽自動車が3%から2%に引き下げ。
「病院で処方されるジェネリック医薬品も安くなります。今までは新薬の約7割の価格でしたが、今後5〜6割の値下げになります。国民医療費削減のため、ジェネリック医薬品の普及を進めようと診療報酬が改定されました。少子化対策の一環で、雇用保険から支払われる育児休業給付金は引き上げられます。給与の50%だった給付金が、4月以降は半年間に限り67%に」
消費税増税の負担を軽減するための施策もある。ひとつは住民税非課税の低所得の人に、臨時福祉給付金1万円が支給される。また児童手当を受給している子供1人あたり1万円が、子育て世帯臨時特例給付金として支給される。どちらも1回だけだが、6月ごろ案内が届くので忘れずに申請を、とのこと。
「来年10月には消費税が10%に上がる予定で、負担は重くなる一方です。今から消費税10%を見越して、家計を引き締めておきましょう」