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「世界的に見ると、日本はキャッシュレス化が遅れています。キャッシュレス決済の割合は、日本では20%未満なのに対して、アメリカは41%、韓国は54%、中国は55%と、その差は歴然です(’15年・経済産業省)。そこで、政府は昨年、キャッシュレス決済の割合を、現在の約20%から、10年後には2倍の40%まで引き上げるという目標を立てました」

 

そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。実際、最近はアップルペイなどのスマホ決済を利用する人も増え、電子マネーが使える店も増えている。その一方で、小さな商店ではあまり導入が進んでいないように思えるのは、なぜなのか。

 

「お店にとって、キャッシュレス決済のメリットは、おつりの用意や現金チェック、銀行への入金作業などが不要になることです。手間が省ける分、人件費削減につながるかもしれません。また、訪日外国人が、もっとお金を使ってくれる可能性も広がります。とはいえ、導入には、カード用の支払い端末が必要で、そのための端末代金や月々のリース料などがかかります。また、カード利用には、店に2〜7%の手数料負担が生じます。小さなお店には金銭的負担が大きいといえます」(荻原さん・以下同)

 

それでも政府は、’20年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、訪日外国人が訪れそうな観光地で「100%キャッシュレス対応を目指す」としている。

 

「支払い端末の導入補助も行うようですから、キャッシュレス化が一段と進むことが予想されます。こうした流れは、もう止められません。利用する私たちは管理方法に工夫が必要です」

 

そこで、荻原さんがキャッシュレス時代に備えるための家計管理術を解説してくれた。

 

【1】カードの一本化

 

「カードを複数枚持つと、使った総額の把握がむずかしくなります。また決済期間や引き落とし日もまちまちのため、いつ、いくら支払うのかが、わかりにくくなります。使うカードは、1つに決めるほうがシンプルです」

 

【2】デビットカードの利用

 

「使いすぎ防止には、デビットカードが効果的です。デビットカードは、使った金額が即座に銀行口座から引き落とされます。使えるのは銀行口座の残高までですから、払いきれないほど買い物をしてしまう心配はありません」

 

キャッシュレス化が進み、現金が要らなくなったら、銀行ATMの列に並ぶこともなく、時間外手数料などで預貯金が目減りすることはない。

 

「カードの利用履歴をうまく使って、家計管理に役立てることもできます。いずれ訪れるキャッシュレス時代に向けて、今から自分なりの家計管理法を身につけておきたいものです」

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