「現在、空前の低金利です。一昔前の金融商品のように、複利計算で年利3%あれば、お金を預けただけで、24年後には倍に増えていました。ところが今の普通預金の金利は、わずか0.001%です。預けたお金が倍に増えるまでに、なんと7万2000年もかかってしまいます。たとえ100万円というまとまったお金を預けても、1年の利息はわずか10円。“これでは預けても意味がない”と、タンス預金にする人も多いでしょう。しかし、お金は手元に置くだけでは“成長”しません。工夫が必要なのです」
そう力説するのは、『図解でわかる! 投資信託』(秀和システム)など多数の著書がある、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。
昨年12月の日銀発表によれば、家計の金融資産が1,845兆円と過去最高になった。先行き不透明の時代だからこそ、お金を手元に置いておきたいという人が増えているということだろう。そんな人はまず「お金の種類を3つに分類してほしい」と風呂内さんは語る。
「毎日の支払いやいざというときに必要なお金を『使うお金』として、いつでも引き出せる預貯金におきます。将来の教育資金など、すぐに使う予定はないけれど5~10年以内に使うことが決まっているものを『守るお金』として、比較的安全な定期預金や国債、学資保険などに充てます。そして『増やすお金』は10年以上、使う予定がないお金で、投資などに向きます。この『守るお金』と『増やすお金』は、利率の低い普通預金や、盗難のリスクのあるタンスに入れたままにしておくのはもったいないのです」
生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんも、このようにアドバイスする。
「お金は、預け場所を変更するだけ、まとめて払うだけで、得するケースが多い。今は元本割れをしない金融商品や投資といっても、安全に運用できる投資信託商品もありますので、まずはそういった情報を得ることが大事です」