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「日本では親しい間柄でもお金の話を避けてしまう雰囲気がありますよね。学校ではちゃんと教えてくれませんし。しかし、人が安心して生きていくためには、知っておくべき“お金の教養”というものがあると思うのです。お金とどうつきあえば人生で失敗しないのか? 子どもからご老人まで、家族全員で“お金に負けない知恵”を身につけることは、とても大切なことではないでしょうか」

 

そう話すのは、経済評論家の山崎元さんだ。銀行、証券会社、保険会社など金融機関で計12回の転職を経て、現在は、資産運用専門のコンサルタントとして活躍。お金との向き合い方をよりわかりやすく伝えたいと、この3月に『人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実』(朝日新聞出版)を出版している。

 

そこで「お金で人生を台無しに……」ということにならないよう、家族に肝に銘じてほしい「お金の鉄則」を、山崎さんに教えていただいた。

 

■保険は決して勝てない損な「賭け」!

 

「子どもや孫が社会人になって働き始めると、生命保険の営業担当に勧誘されることもあると思いますが、できるだけ保険は入らないほうがいい。保険とは、将来起こるかもしれない事故や病気といった“不運”に関する賭け。しかも加入者側が圧倒的に不利です。また、自分が心配なものに対策をとったというだけで、その費用は膨大。がん保険に加入しても『がん予防』にはならないのです」(山崎さん・以下同)

 

■自宅を買うときも「投資」と考える!

 

「自宅の購入といえども『ある土地に建っている一軒の家』という銘柄に何千万円もの投資をすると考えるべき。不動産も、株式投資並みのリスクがあるものなのです。たとえば、転勤や子どもの通学のための転居など、つねに“空室リスク”がある。将来、人に貸すとか、売却も想定しておかなければなりません」

 

■運用で損をしたくなければ銀行には近づくな!

 

「いまあるお金を増やしたいと思ったときに、銀行の窓口に行ってはいけません。銀行員は、お金の流れを通じてその人の暮らしぶりが手に取るようにわかります。私が考えるに、銀行の店頭で勧められても、商品で買ってよいものはひとつもない。銀行は、資産運用の手数料と、クレジットカードの高い金利で稼いでいるのです。運用に必要なことは『いま使うお金』と『未来に使うお金』に分けておくこと。そして、リスクを小さくするため分散投資をすること。また0.5%以下の手数料の安いものを必ず選んでください」

 

■人からのもうけ話を、簡単に信用してはいけない!

 

「銀行員だけではなく、ファイナンシャルプランナー(FP)にも、保険会社からお金をもらって商品販売で利益を得ている人がいます。街の『無料相談』も、相談と名のついたセールス場なのです」

 

友人のクチコミ情報にも注意が必要だ。

 

「人は怪しい運用商品を買ってしまったとき、不安になり仲間を欲しがります。それこそが“もうかる話”の正体。人生とお金だけは、決して人任せにせず、自分で考えるようにしてください」

 

お金に無防備な若者だけでなく、高齢者の貯蓄まで狙われてしまう昨今、こういった正しいお金の使い方を“わが家の家訓”にするのは、とてもよいことと言えるかもしれない。

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