息子くん、修学旅行でアルプスに出かけてしまいました。息子がいないともちろん料理もしませんし、片付けもしない。何もする気が起きなくて窓際の椅子に座ります。仕方がないので、人生を振り返ったりしています。
さよならだけが人生だ、と言ったのは井伏鱒二でしたか? サヨナライツカ、と言ったのはわたし(笑)。でも、いつかすべての人間にさよならがやって来るのは間違いありません。人間の運命ですからしょうがない。
子育てが終わったらどうしましょうね? 離婚後、子育てという思わぬ人生の意味を見つけ出すことができました。その辺の顛末は皆さんご存じの通りですが、今思えば、息子が横にいてくれてよかったな、と思うのです。いろいろな人間が離れていきましたが、いちばん大事な人間が残ってくれた。それが事実であり、真実です。
シングルファザーって皆さんが思うよりももっと大変です。お母さんとお父さんを全部1人でやらないとならないから、自分の時間なんてありません。でも、子育てに没頭できたおかげで自分は幸せらしいものを手に入れることができた。息子とはじめたYouTubeも大勢の人がチャンネル登録してくださり、父子ともども喜んでいます。こういう日が来るなんて、実に不思議です。
でも、その子ももうじき、あと数年後には巣立っていく。誰もいない静かな家の中で、やることもなくじっとしていると不意に将来が不安になります。皆さん、幸せってね、誰かがそばにいることなんですよ。話しかけたら返ってくる返事こそが幸福のこだまです。「あれはどうしたっけ?」と問いかけたら「あれは大丈夫だよ」と返ってくること。目に見えないささやかなものが幸福なんです。
ところで修学旅行から戻って来た息子くん、人生の中で1番目か2番目に楽しい日々だったよ、と笑顔で報告してくれました。これ以上の幸せを願ったら罰が当たりますね。さ、今日からまた頑張るとしましょうか。
さて、旅の疲れからか息子が風邪をひいてしまったので消化によく栄養もある「イタリアンすいとん」を今日は作ることにします。
材料5人分:じゃがいも500g、小麦粉150g、卵黄1個、粉パルミジャーノチーズ大さじ3、白菜500g、ベーコン100g、シブレット20g、味噌大さじ1、オリーブオイル大さじ2、ごま油大さじ1、固形チキンブイヨン2分の1個、固形野菜ブイヨン1個、醤油大さじ2分の1、鷹の爪1個、にんにく1片、しょうが20g、塩・こしょう適量。
まずはすいとん作りから。鍋で湯を沸かし、じゃがいもを茹でます。竹串がすっと入ればOKです。茹で終わったら皮を剥いて、ボウルの中でフォークなどで潰します。そこに小麦粉、卵黄、チーズ、塩ふたつまみ程度(分量外)を入れて混ぜ、最後は手でこねます。台の上に小麦粉(分量外)をふるい、5等分くらいに分けた生地を手で転がし棒状に伸ばします。棒状になった生地を包丁で10gずつカットし、1つ1つを小判形に成形します。大きめの鍋で沸かした湯にすいとんを投入。2分くらいすると浮かび上がってくるので、すくって器に取り分けてください。
続いてスープ作りです。鍋に1リットルの湯(分量外)を沸かし、千切りにした白菜と細切りにしたベーコン、潰したにんにく、みじん切りにしたしょうがを入れます。そこにシブレット、味噌、オリーブオイル、ごま油、醤油、チキンブイヨン、野菜ブイヨン、鷹の爪、塩・こしょうを入れて30分ほど煮込みます。味見してから、すいとんの上におたまでスープをかければ完成です。
風邪も吹っ飛ぶ愛情料理ですよ。早く治りますように。
ボナペティ!