「実は僕、絵を描くのが苦手なんです(苦笑)。撮影の合間にもユーコを演じる清野菜名ちゃんと、漫画のかけあみという作業を一緒に練習して。永野芽郁ちゃん、菜名ちゃんと3人でしゃべり倒したり笑ったりと、役と同じような関係性をつくることができました。ときには2人だけの“女子トーク”も繰り広げられていて、ボクテとしては交ざれるかもしれないけど、そこは男・志尊淳として口をはさまずにいます(笑)」
そうほほ笑むのは、北川悦吏子さんの脚本によるNHK連続テレビ小説『半分、青い。』で、ヒロイン楡野鈴愛(永野芽郁)の漫画家時代の仲間“ボクテ”こと藤堂誠を演じる志尊淳(23)。
志尊は鈴愛を見守る性的マイノリティの美青年を演じ、「女のコよりかわいい!」「品もいいし、何より美しすぎる……」と多くのファンを獲得している。その適役ぶりは、北川さんに初対面で「すでに声がボクテくんだね」と言わせたほどだ。
「ボクテは純粋な性格だけど、人生経験が豊富。物事を俯瞰することで、人に寄り添うことができる人物です。漫画家を目指す貪欲さから、鈴愛のアイデアを突発的に“盗作”してしまいますが、その失敗からはい上がった芯の強さもある。僕としては、姿勢と所作は美しくしたいと気をつけています」(志尊・以下同)
朝ドラの撮影現場は、毎日朝から夜まで撮り続ける過酷なスケジュールもしばしば。主演の永野芽郁には、その天真爛漫さに魅了されたという。
「芽郁ちゃんは、以前にも映画『帝一の國』などで共演したことがありますが、感情の振れ幅もしっかり表現できることが素晴らしいな、といつも感じています。まだ18歳ですが、女優として現場に意見をしっかり伝える姿勢も見えたりして。僕が18歳のときは、そんなことはできなかったから、すごい女優さんだ、と思いましたね」